ユン・スン・ナ、『Lento』以来となる待望の新作品。ソウルで開かれたG20 サミットや、ソチ・オリンピックの閉会式にシンガーとして招かれている通り、地元韓国では、国民的なシンガー。しかし、シャンソンへの興味からフランスに移住して以来、ヨーロッパでも俄然注目を集める存在。『Same Girl』と『Lento』のセールスは、合わせて150,000 枚!ヨーロッパでのコンサート回数もこの5年で、500回に及び、フランスのみならず、ドイツ随一のミュージック・アワード、ECHO賞も受賞し、今や、当代を代表するシンガーといえましょう。そして、本作は、ジェイミー・サフトをプロデューサーに迎えてのNY録音!!しかも、楽曲は、ルー・リード、ポール・サイモン、ジョニ・ミッチェル、ジミ・ヘンドリックスらの曲に、トラッド・ソング、自身のオリジナルを織り交ぜた構成。従来の作品とは、大きく方向を転じた展開を見せてくれます。☆しかし、目先を変えるなどといった気軽なものでないのは、言うまでもありません。元々、スタンダード・ナンバーや、自国のトラッド・ナンバーをオリジナリティ豊かにアレンジしたり、メタリカの"Enter Sandman"をケイト・ブッシュをも彷彿とさせるような異才な歌唱で披露するなど、八面六臂ぶりを見せてきたことが示すように、多彩なキャラクターをもつのも彼女の魅力。☆シャンソンへの興味をルーツに、ヨーロッパを拠点にヨーロッパのミュージシャンとの共演を主としてきた彼女でしたが、ウルフ・ワケニウスらとの共演を通して、ナット・キング・コール、トム・ウェイツ、またランディ・ニューマンといった、アメリカのシンガーに興味を持っていったとのこと。また、とかくアヴァンギャルド的なイメージをもつジェイミー・サフトに意外性を感じさせるところもありつつ、ジョン・ゾーン同様、サフトも実に多芸。結果として、本作は全てが必然とも感じさせます。メンバーは、サフトの他、マーク・リボーにブラッド・ジョーンズ、ダン・ライザーとこれまた鬼才、異才ぞろいですが、元々、トム・ウェイツのバックでも演奏していたマーク・リボウはもちろんのこと、ダン・ライザーは、ノラ・ジョーンズの超名盤"Come Away withMe"の肝となるサウンドをつくっていたアーティスト。サフトの指揮のもと、この人選も納得です。シンガーとしての自信と歌唱に裏打ちされて、どの曲も、いい意味で力が抜け、バンドと一体化しての歌唱が聴ける一枚。またハモンド・オルガン、ローズ、ウ-リッツァを使い分け、ルー・リード、ジョニ・ミッチェル、またポール・サイモンといったアメリカの魂、心象風景を感じさせるアーティストの楽曲をアレンジするサフトのセンスのよさ、ジミ・ヘンにとって替わるマーク・リボウの演奏M7 も聴きもの。一方、ニーナ・シモンへのリスペクトを感じさせるM8やトラッド楽曲の表現にはシンガーとしての懐深さも感じさせます。韓国からヨーロッパに地平を広げ、アメリカへ舵を切ったユン・スン・ナ。フォーク、ロック、そしてスピリチュアル・ソングとオリジナルの数々。その才能の広がりを感じさせる一作です。
発売・販売元 提供資料(2017/06/19)