ロバート・レッドフォード、ジャック・ホワイト、T-ボーン・バーネットらが集まり制作された「American Epic」4部作のうち本作「セッションズ」は他3作が貴重な過去映像のアーカイヴ的正統派ドキュメンタリーであるのに対してこのシリーズ4作目は<現代アーティストのルーツ音楽のセッションを1920年代の機材で録音する>という興味深い実験の様子を捉えている。
そして、これが音楽的好奇心を刺激する面白さ!現役アーティストの中では随一のルーツ音楽の伝道師であるジャック・ホワイトと2002年グラミーでアルバム・オブ・ジ・イヤー受賞した「オー・ブラザー!」をプロデュースしたこれまたグッドオールドサウンドの請負人T-ボーン・バーネットがプロデュース。
スタジオに招かれマイクを囲み一発録りしていく演奏者たちが、その演奏をヴィンテージ機材で録音した自分たちの演奏が、まさにSP盤のようなノスタルジックかつパンチの効いたプリミティヴな音質で聴こえてきたときの感慨、それは過去と現在が時を越えて繋がるタイム・マシーンのような感覚。この音楽実験が単なる懐古でなく、デジタルな現代でグッドミュージックやグッドサウンドを問い直す意味を内包していることに猛烈な感動を覚えずにはいられない!
象徴的なのはラッパーNas(ナズ)がジャック・ホワイトらをバックにメンフィス・ジャグ・バンドで知られる楽曲「ON THE ROAD AGAIN」をセッションするシーン。アコースティックバンドをバックにラップする勇姿からは黒人音楽のストリート感覚、その過去と現在が地続きであることを示してる!
他、エルトン・ジョン(映像ではジャック・ホワイトとの音合わせシーンも必見)、ベック、タジ・マハール、ウィリー・ネルソン、マール・ハガード、スティーヴン・スティルス、ロス・ロボスなどが参加。
日本では知名度が低い若手勢も多く含まれるが、リリー・メイ(フィドルとコーラスが印象的!ジャック・ホワイトのレーベルからソロ作も)をはじめ、いずれも確かな演奏力で聴きごたえ十分でアメリカーナシーンの層のブ厚さに感嘆。
尚、ジャック・ホワイトはヴォーカル曲以外でもフロントマンのバッキング、プロデュースで登場。本編ではインタビューで登場するほかにも、トラブル対処も。録音機材が故障した際には自身で車を駆りホームセンターに行き、破損したベルトをミシンを借りて自ら補修するという珍シーンもありそのルーツ音楽の伝道師としての粉骨砕身ぶりに頭が下がる!偉いぞ、ジャック!
タワーレコード(2022/09/05)
ジャック・ホワイト、Nas(ナズ)、ベック、アラバマ・シェイクス、エルトン・ジョン・・・豪華アーティストが集結!1920年代アメリカ音楽黎明期の曲を再現!
ロバート・レッドフォードやTボーン・バネット、ジャック・ホワイトらがプロデューサーに名を連ね、BBCとPBSが制作した音楽ドキュメンタリー作品『American Epic』。この映像作品では、これまで未発表だったフィルム、極めて珍しい写真、生存するアーティストや関係者のインタビュー等を交えながら、録音物として残る初期のアメリカ音楽にフォーカスし、曲の成立ちや背景を丁寧で愛情豊かに紐解いてゆく。今作は、この『American Epic』中で"The Sessions"と題されたエピソードに基づき新たにレコーディングされたもの。1920年代に、アメリカで初めて音楽がレコーディングされた当時の機材を復刻させて、レッドベリー、ザ・カーター・ファミリー、リディア・メンドーサ、ハニーボーイ・エドワーズ、ミシシッピ・ジョン・ハート等によってアメリカ音楽黎明期にパフォーマンスされた曲を、現在活躍するアーティストがセッションしている。1920年代の機材によるレコーディングは、アメリカ音楽史上でも今回が初となる。アメリカを形作り、世界のポピュラー音楽に大きな影響を与えた20年代の名曲が、現在の音楽シーンを代表するミュージシャン等によって慈しまれるように再現される。
発売・販売元 提供資料(2017/04/28)