今年は「ハリー・ポッター」も登場!ウィーンに夏の到来を告げる美しく華麗な一夜のライヴ。
毎年ウィーンの聴衆を熱狂させる記念碑的コンサートのライヴ!ニューイヤー・コンサートと並ぶウィーン・フィルの名物行事で、2004年の開催以来、初夏のウィーンの風物詩として定着している「ウィーン・フィル・サマー・ナイト・コンサート」。ユネスコの世界遺産にも指定されているシェーンブルン宮殿を舞台に行われるオープンエアの演奏会は、無料で10万人の音楽ファンに開放され、その模様は世界の60カ国以上に生中継(もしくは録画放送)されています。
このコンサートはこれまで、ゲルギエフ、ドゥダメル、バレンボイム、ウェルザー=メスト、マゼール、エッシェンバッハ、メータ等が登場など、錚々たる指揮者陣の起用というだけでなく、ピアニストのラン・ランやブッフビンダーらも登場していることからも、ウィーン・フィルにとって最も重要なコンサートという位置付けがなされていることがわかります。
ソニー・クラシカルは2013年からこの「サマー・ナイト・コンサート」を発売していますが、その第5回目となる今年2017年は、2014年以来クリストフ・エッシェンバッハが2度目の登場です。エッシェンバッハがウィーン・フィルと共演したのは1977年ザルツブルク音楽祭のことで、この時はピアニストとしてモーツァルトのピアノ協奏曲第24番をムーティ指揮で演奏しています。指揮者としての初共演は、2003年ウィーン芸術週間でのブルックナー「交響曲第7番」で、それ以来ウィーン・フィルの定期やツアーの常連となっており、2011年と2015年には日本公演に帯同、2014年にはザルツブルク音楽祭で「ドン・ジョヴァンニ」を託されています。(1/2)
ソニー・ミュージック
発売・販売元 提供資料(2017/04/28)
今年は「妖精物語と神話」をテーマに、ドヴォルザーク、チャイコフスキー、フンパーディンク、ストラヴィンスキーらの華麗なオーケストラ曲を演奏します。中でも注目すべきは、映画「ハリー・ポッター」シリーズから「ヘドウィグのテーマ」が取り上げられることでしょう。2010年の「サマー・ナイト・コンサート」での「スター・ウォーズ」からの「ダース・ベイダーのテーマ」以来のセンセーションといえるでしょう。またフンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」をウィーン・フィルが演奏会で取り上げるのは今回が初めて、という点にも注目です(1964年のクリュイタンスや1978年のショルティとの録音などは、セッションで収録されたもので、演奏会とはリンクしていなかったとのこと)。またこれまではシェーンブルン宮殿の公園の中央に舞台が作られていましたが、今年はシェーンブルン宮殿の前に舞台が組まれる予定です。
加えてドヴォルザーク晩年のオペラ2曲とラフマニノフの歌曲では、アメリカのディーヴァ、ルネ・フレミングが出演します。「サマー・ナイト・コンサート」史上、ソプラノ歌手が登場するのは今回が初めてとなります。
鮮明な映像と音声は、美しいシェーンブルン宮殿が夕闇に沈みライトアップされていく様を美しく映し出し、加えて演奏会の終盤で打ち上げられる花火や音楽に合わせて楽しげに踊り出す聴衆の姿を伝えてくれます。CDは、オーストリア放送協会(ORF)収録によるTV放送映像の音声とは別に、2007年以来一貫して元旦のニューイヤー・コンサートのCD収録を任されているベルリンのテルデックス・スタジオのチームが収録に当たっています(したがってTV放送をもとに商品化されるDVD/ブルーレイディスクとは別音声・別編集・別ミックスということになります)。収録の難しい野外コンサートにおける安定感のあるサウンドで、香ばしく厚みのあるウィーン・フィルの輝きを見事にとらえています。一方ブルーレイディスク/DVDのサウンドは、これまた長年このコンサートの生中継を担当しているORF収録による盤石のもの。両者の聴き比べも興味深いところです。(2/2)
ソニー・ミュージック
発売・販売元 提供資料(2017/04/28)