シューゲイザー・ミュージックのパイオニアとして知られる伝説的バンド、スロウダイヴ、22年ぶりのアルバム!
1989年に結成、ニール・ハルステッドとレイチェル・ゴスウェルを中心に結成された5人組バンド。91年にアルバム『ジャスト・フォー・ア・デイ』でデビュー。93年にリリースした2nd『スーヴラク』にはブライアン・イーノも参加し、話題となった。95年にこれまでとは異なるミニマルな音作りで、アンビエントやエレクトロニカからの影響が濃い3rdアルバム『ピグマリオン』をリリースした後、バンドは解散。それぞれ別の音楽活動を経て、2014年に再結成を果たすとフジロック・フェスティバルに出演。レッドマーキーに入場規制がかかるなど伝説的な公演となった。2016年にはバンドメンバーのレイチェル・ゴズウェルが新作の制作に取り掛かっていることを仄めかすなどファンのなかで新作へと期待は高まっていく中、2017年1月に突如新曲「Star Roving」を公開し、世界中の音楽ファンを驚かせた。そして遂にリリースされる新作のレコーディングスタジオとして選んだのは、バンドが慣れ親しんだオックスフォードシャー州にあるコートヤードスタジオ。プロデュースはニール・ハルステッド自身が行い、ミックスはクリス・コーディー(ビーチ・ハウス / トバイアス・ジェッソ・Jr. / TVオン・ザ・レディオ)が手がけました。アートワークは1957年に公開されカルト的な人気を誇るアニメ映画『Heaven and Earth Magic』からの1カットが使われている。伝説的なシューゲイザーバンドの22年ぶりの新作は必聴!
発売・販売元 提供資料(2017/04/07)
ジーザス・アンド・メリー・チェインやライドを筆頭に、〈いったいどうしちゃったんだよ!?〉ってくらいオリジナル・シューゲイザー世代の朗報が続いているなか、ここにまたひとつ。2014年にリユニオンし、実に22年ぶりのニュー・アルバムを発表した。オープニングから〈キター!〉と歓喜の声が漏れること必至のトロットロに耽美なギターをお見舞いし、立て続けに〈コレだよ!〉と唸らされる男女混声をブッ込んできて胸アツ。さらに、前作『Pygmalion』の試みを発展させるべく、より濃密に現代音楽の要素を採り入れるなど、決して過去を懐かしむだけには終始していない点が頼もしい。そうしたバンドの現役感を引き出すのに大きく貢献しているのが、ビーチ・ハウス仕事で名高いヘバ・カドリー&クリス・コーディのコンビによるミキシング。分厚い轟音だけでなく、適度に余白のあるパートも挿むことで、とてもモダンな聴き心地だ。
bounce (C)柴田和江
タワーレコード(vol.403(2017年5月25日発行号)掲載)