| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2017年02月27日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 文藝春秋 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784163906072 |
| ページ数 | 232 |
| 判型 | 四六 |
構成数 : 1枚
■序章 音の記憶
二〇一四年九月ベルリン。私は消えたブランド「テクニクス」復活をパナソニックの責任者として宣言した。この本では、私が「会社員として」「ピアニストとして」二足のわらじで、いかに音に懸けてきたかを語りたい
■第一章 全ての生き物にはリズムがある
母親のお腹の中で聴いた『赤い靴』と『春よ来い』。なぜこれらの曲が特別な感情を呼び起こすのだろう。理工学部へ進学した私は、聴覚や生体のリズムを研究する。そして就職を考える中、運命的な一本の論文に出会う
■第二章 就職まで
「これからの時代は違うんちゃうかなあ」。松下電器で音響の仕事がしたいと会社訪問すると大学の先輩から「志望業界を変えなさい」と諭された。CDなどデジタルオーディオが誕生し、音響事業は激変の時を迎えていたのだ
■第三章 自由なる研究所
それでも松下電器を選んだ私は念願通り「音響研究所」に配属された。
「感性を活かし世の中にないものを作りなさい」という所長小幡修一のもと、金管楽器型スピーカー、超薄型スピーカーとユニークな製品を生み出す
■第四章 汐留の輝ける青春
ウィーンのオペラ座に採用された超薄型スピーカー。世界的な評価を得た技術を使って住空間を変えるプロジェクトが始まった。壁一面スピーカーという前代未聞のホールづくりは、二〇代を懸けるに相応しい挑戦だった
■第五章 失意のプロジェクト解散
三〇歳のとき転機が訪れる。全速で走ってきたプロジェクトが一瞬にして終わったのだ。薫陶を受けてきた所長の小幡も去った。会社を辞めようかと悩んでいると上司の木村陽一から誘われた。「ジャズ、やってみないか?」
■第六章 オール・ユー・ニード・イズ・ジャズ
曽根崎の老舗ライブパブ、ピアノとドラムだけのデュオで初舞台を踏んだ。
仕事をしながら毎月のステージに立ち、ジャズにのめり込んだ。七年後、本場米国での国際ジャズフェス。満員の観客から拍手を受ける自分がいた
■第七章 二足のわらじ
「仕事もピアノも中途半端はいかんよ」という恩人からの手痛いひと言。
奮い立った私はDVDオーディオ、インターネットと新たな仕事に取り組む。東京に転勤してからは日米で九枚のCDを立て続けにリリースした
■第八章 愛こそ全て It's All About Love
「ミチコ、アメリカでデビューしないか」。米国でリリースしたCDが英国ジャズ専門誌で年間ベストアルバムに選ばれた。プロデューサーからプロオファーを受け、渡米するか悩んでいるとき高校時代の初恋の人が現れる
■第九章 松下幸之助が教えてくれたこと
■第十章 テクニクス復活プロジェクトに懸ける
■第十二章 幻のターンテーブルSL-1200
■第十三章 女性が欲しくなる「オーディオ」で未来を拓く
■第十四章 若い人へのレッスン
◆パナソニック女性役員の手記◆
日本の会社で働く全ての女性に贈る
働くこと、愛すること、継続すること。
かつて松下電器にはソニーに匹敵する自由なる研究所があった。1986年に入社した私は、その音響研究所に配属され栄光のブランド「テクニクス」の様々な発展形の技術・商品を開発する。
人には大切な「音の記憶」がある。その感情を技術が喚起する。そんな商品をめざし、うちこんだ青春の日々は、8年目でプロジェクト解散、配置転換で雲散霧消したかに見えた。
失意の中で始めたジャズ・ピアノで世界的な評価を受ける。「君はパナソニックのトップにはなれないが、プロとしては成功する」そうアメリカのプロデューサーに言われ、心は揺れるが……。

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