繊細に美しい、ゴールデングローブ作曲賞ノミネート作。
そして、梅林茂プレイズ・ハーマンというナンバーもアリ。

『A SINGLE MAN』(2009)
サウンドトラック

音楽 アベル・コジェニオウスキ
追加音楽 梅林茂
監督 トム・フォード
主演 コリン・ファース、ジュリアン・ムーア

1962年のロサンゼルスを舞台に、イギリス人の教授が、長年の恋人の男性の訃報を聞いた日の一日を描く。グッチのデザイナーとして一世を風靡したトム・フォードのなんと映画監督デビュー作。音楽は、本作で注目必至のアベル・コジェニオウスキ。72年ポーランド生まれで、2006年より、仕事場をハリウッドに移している。さて、そのサウンドは、豊潤に美しく、悲しげだがエロティックな、そんなストリングス。例えばデスプラの諸作や、ニコ・マーリーの傑作『愛を読むひと』のサントラが好きな方辺りには、ぜひおすすめ。そして、このサントラの構成で気になるのは、梅林茂による追加作曲。「ジョージのワルツ」というこちらも饒舌なメロディのワルツをストリングスで聞かせている。そして、バーナード・ハーマンの『めまい』から「SCOTTI TALLS MADELEINE」を梅林茂のアレンジで! というトラックもあり、独自の美の世界を展開。大人のサントラの傑作です。 (C)馬場敏裕