スケプタの世界的ブレイクにより、さらに隆盛を極めるUKグライム・シーンにおいて「その類稀な声をもってUKクラブ史に名を刻む伝説的な存在」として崇められるMCのひとり、フロウダンが15年以上のキャリアの集大成として完成させた新アルバムがRSD限定で満を持してヴァイナル・リリース決定!!マスロ、スウィフタ・ビーター、そしてリーサル・ビズルのグライム・クラシック「POW」を手掛けたデクスプリクトら新鋭プロデューサーを引き連れ、ダークでヘヴィーながらも多彩なトラックの上でドスの効いたヤーディなフロウで強烈な存在感を放つアルバムはすでに「フロウダンのアルバムがヤバい!」(ワイリー)、「フロウダン先生!」(コード9)、「超ヤバい、最高!」(トドラT)と絶賛の嵐!客演には盟友マンガとティンチー・ストライダーを迎え、ポスト・ケイティBの呼び声高い新人シンガーのアニマイを4曲でフィーチャー。"マスターピース"ではなく"ディザスターピース"、純ストリート産のハードコアでメロディックなグライム・シンフォニーが高らかに鳴り響く本作は世界限定500枚でリリースされる。
発売・販売元 提供資料(2017/06/27)
エスキビートからの『Original Dan』(2009年)はあったものの、ようやくの晴れ舞台と言ってもいいだろう。ペイ・アズ・ユー・ゴー時代からワイリーと行動を共にし、ロール・ディープで脚光を浴びたヴェテランの凄みは、意外にもトゥルー・ソーツから出たこのニュー・アルバムで完全に開花している。近年はスウィンドルやモードステップの楽曲でもディープな声の威力を乞われていた彼らしく、本作でもアニメイの幻想的なコーラスを纏ったケイト製の冒頭曲"Chosen"やクリプティック・マインズらしいパーカッシヴなダブステップ"Judgement"から、ラガ交じりの重々しいフロウで静かに放熱。鋭角的なマンガのフロウと対を成すスウィフタ製の"Dons And Divas"、ティンチー・ストライダーを迎えた"Gunfingers"のような豪速球グライムでの着火ぶりもヤバい。ハイパーダブに残した『Serious Business EP』(2014年)の暗黒の先も覗いてみたかった気はするが、対応力の高さも提示した文句ナシのマスターピースだと思う。最高。
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.394(2016年8月25日発行号)掲載)