レバノン出身のミュージシャンで「中東のマッシヴ・アタック」と呼ばれたソープ・キルズというバンドの元ヴォーカリストとしてアルバムを3枚リリースした経歴を持つヤスミン・ハムダン。2013年にはアルバム『YA NASS』でソロ・デビュー、翌年にはくるり主催の京都音楽博覧会で来日公演を実施した。また、2013年に日本公開されたジム・ジャームッシュの映画『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』でもヤスミンはフィーチャーされており、世界中から注目を浴びるきっかけとなった。
そんな彼女が、この度プロデューサーにルーク・スミス(フォールズ、デペッシュ・モード、リリー・アレン)とレオ・エイブラハムズ(ブライアン・イーノ、カール・バラー)を迎え、ソニック・ユースのスティーヴ・シェリーとシャーザッド・イズマイリー(ローリー・アンダーソン、ルー・リード、ジョン・ゾーン、マーク・リボー)らとNYにてレコーディングした新作『アル・ジャミラ~美しきもの』が完成した。今作では、ヤスミン自身がこれまでに暮らした数カ国にて体験した文化、旅の道中で得たサウンドやアイディア、触れ合った人々などが題材となっており、中でも歌詞は直にそれを反映したものとなっている。
発売・販売元 提供資料(2017/02/17)
〈中東のマッシヴ・アタック〉と評されたソープ・キルズの元シンガーで、女優としても名を馳せるレバノン出身の才女。ブライアン・イーノ仕事で知られるレオ・アブラハムスも加担したこのソロ2作目では、アシッド・フォークやボッサトロニカ、ポスト・クラシカルなどに挑戦し、従来のベース重視な音作りから距離を置いている。いつになく清廉なその佇まいに、まだまだ別の顔も秘めているんじゃないかと期待してしまう一枚。
bounce (C)志磨雅人
タワーレコード(vol.401(2017年3月25日発行号)掲載)