前作『Singles』(2014年)のリリースから数年間でカルト的な支持から、シンセポップのアイコンへと一躍のし上がったフューチャー・アイランズが、新作『The Far Field』を引っさげて帰還!4AD移籍後2枚目(5作目)となる本作は、サミュエル・T・ヘリング(ヴォーカル、作詞)、ウィリアム・キャッション(ベース、ギター)、そしてジェリット/ゲリット・ウェルマーズ(キーボード、プログラミング)の3人が手掛けた、非の打ち所のないフックと心安らぐ率直な歌詞、そして胸の高鳴るラヴ・ソングから旅立ちの歌まで、彼らにしか作れない12曲を収めている!精力的なツアーで知られる彼らは、2015年7月に1,000回目となるライヴ遂行、2016年2月にはデビュー10周年を祝った。そんな絶好調にあるフューチャー・アイランズが、新作『The Far Field』に着手したのは2016年1月、ノース・カリフォルニア沿岸でのこと。グラミー賞受賞プロデューサーのジョン・コングルトンと共に、ビーチ・ボーイズからプリンスまで、あらゆる偉大なアーティストが傑作を録音した伝説のスタジオ《サンセット・サウンド・レコーダーズ》でバンド史上最高傑作と言えるアルバムを完成させた。今作は、マイケル・ロウリーによる生ドラムが初めてフィーチャーされているアルバムでもある。彼はインターネットの口コミで爆発的な話題となった米CBS『レターマン・ショー』出演時の「Seasons」のパフォーマンスに先立ち、このバンドに参加している。また、コングルトンのプロダクションと、パトリック・マクミンによる管弦楽アレンジが施され、これまで以上に壮大で豊かなサウンドスケープに仕上がっている。アルバム11曲目「Shadows」には、ヘリングとブロンディーのデビー・ハリーのデュエットで、心の痛みに素直に目を向け、苦悩や自分の欠点と真正面から向き合うことによって希望と力と見出す過程を聞く事が出来る。また「Time on Her Side」(M2)と「Day Glow Fire」(M10)は、最も辛い思い出の中にでさえ美が潜んでいることを証明しており、失恋すらも人生により深い意味を与えてくれると言い切っている。一方「North Star」や、第一弾シングル「Ran」、そして「Beauty of the Road」では、旅に出て、愛と自己認識とを追求し、そこで見出したものを受け入れるというのが本作のテーマが集約されている。
発売・販売元 提供資料(2017/02/08)
4AD移籍作となる『Singles』を機に知名度を上げ、クラムス・カジノ作品にも招かれたボルティモアの電気ポップ・トリオ。この新作では持ち前の80sライクなシンセ音はそのままに、初めて生ドラムを導入した結果、壮大な音風景を描くことに成功している。管弦楽器をラグジュアリーに響かせたり、デボラ・ハリーと共演したり、気合いの入った内容だけど、エモすぎるオッサン声がまったく垢抜けていなくて微笑ましいな。
bounce (C)保坂隆純
タワーレコード(vol.402(2017年4月25日発行号)掲載)