イングランド出身の二人組、ジェイソン・ウィリアムソンとアンドリュー・フェーンによって2012年に結成されたスリーフォード・モッズ。極限まで削ぎ落とされたミニマルな超骨太サウンドと、癖の強いイースト・ミッドランドの訛りのヴォーカルで、労働者階級のイギリス文化を赤裸々に歌い上げる超強烈なオヤジたち。ザ・プロディジーのアルバム『The Day Is My Enemy』収録曲「Ibiza」にフィーチャーされ、MVでも存在感を発揮している。彼らのインスピレーションは、いつだって路地裏にある。ヴォーカルのジェイソン・ウィリアムソンは、今作について「アンドリューが適当なバーに入ったら、メニューボードに"イギリス風タパス"なんて殴り書きがされていた。そんな笑わせる言葉の下には、ハーフ・スコッチエッグ、チップス、ピクルス、ミニ・ポークパイってメニューが並んでいたんだ。これがこのクソったれのバーの全てを物語ってるだろ。それはコメディーであり、有り合わせであり、無知、とにかく、クソなんだ」と語り、「2016年のことを思い返してみろよ。これ以上最悪なことはなかっただろ」と吐き捨てる。そんな彼らが、あの《Rough Trade》からリリースする。録音は、パルプのベーシストであるスティーヴ・マッキーのスタジオで行われた。さらに、今年春には2年を費やし撮影された、路地裏のパブ・バンドがアリーナ級バンドへ成長するスリーフォード・モッズの軌跡を描いたドキュメンタリー映画『Bunch of Kunst』の公開も予定されている。地元の熱烈な支持を集め、我が道を突き進む彼らの新アルバム『English Tapas』が、いよいよ発売!
発売・販売元 提供資料(2017/01/30)
昨年(2016年)のEPも好評だった遅咲きの2人組が、移籍して初のアルバムを投下。イースト・ミッドランズ訛りの酒灼けラップと、贅肉を削ぎ落としたスカスカなオケとの相性は抜群で、作品を追うごとに増すパンク濃度の高さに惚れ惚れ。音のタイプは違えども、初期ストリーツのギザギザした感じを思い出す人は多いはず。ケン・ローチ監督と絡むなど、いまや労働者階級のニュー・ヒーローとなった彼らが発する辛辣な言葉にも注目を!
bounce (C)上野功平
タワーレコード(vol.401(2017年3月25日発行号)掲載)