奇蹟がくれた数式

私には二つの偉大な"発見"がある―それは彼の才能と、かけがえのない友情だ。

◆インドの＜アインシュタインと並ぶ天才・ラマヌジャン＞と、彼を見出した英国人数学者。身分も国籍も違う、正反対の二人が起こした奇跡と友情を描く、知られざる感動の実話!
名門ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジの数学者G・H・ハーディと、インドの名もない事務員ラマヌジャン。生まれも境遇も全く違う二人の天才が、一通の手紙をきっかけに出会い、世界を変える奇跡を起こした―。インドから送られてきた手紙に書かれたある"発見"に驚いたハーディは、差出人のラマヌジャンを大学に招聘する。しかし、学歴もなく身分も低いラマヌジャンは教授たちからは拒絶され、ハーディには"直感"ではなく、論理的な"証明"を求められる。故郷と妻から遠く離れ、孤独と闘うラマヌジャンは遂に命にかかわる重い病に倒れてしまう。愕然としたハーディは、ラマヌジャンを救うために立ち上がる―。第一次世界大戦の激動の時代に、正反対の二人が文化と個性の違いに葛藤し、それを乗り越えてかけがえのない絆で結ばれていく。輝かしい二人の友情を描く涙の実話。

◆オスカー俳優ジェレミー・アイアンズとデヴ・パテル。英国の名優と若手演技派俳優の魂をこめた競演!
ハーディには、英国きっての名優ジェレミー・アイアンズ。感情を表現することが苦手で他人に心を閉ざして生きてきたが、ラマヌジャンと出会ってその才能と豊かな心に感銘を受け、自らを変えようとする英国紳士をエレガントかつチャーミングに演じた。夭逝の数学者ラマヌジャンには、デヴ・パテル。厳格な理論や緻密な計算からでなく、「神が教えてくれた」と、"直感"で公式が閃くという神秘的な存在を見事に体現した。

◆映画で初めてケンブリッジのトリニティ・カレッジでの撮影が実現!イギリスの伝統とインドの神秘的な舞台を背景に描かれるドラマチックな物語。
ケンブリッジ大学の最高峰トリニティ・カレッジで実際に撮影を敢行。ニュートンの書物が展示されたレン図書館、彼が重力を発見したリンゴの木のある中庭などに特別にカメラが入った。荘厳な知性の殿堂を舞台に、歴史を変える発見が成し遂げられるまでがドラマチックに再現される。さらに、インドのエキゾチックな寺院や壮大な自然を背景に、成功の裏に秘められたラマヌジャンの望郷の念と妻への純愛が描かれる。

◆"アインシュタイン並の天才"と称えられるインド人数学者・ラマヌジャンとは?
インド南部の田舎町に生まれ、純粋数学の正式な教育は一切受けていなかったにもかかわらず、独学で数学を学び、数学的解析、数論、無限級数、および連分数において多大な貢献をもたらした天才数学者。港湾事務所で事務員として働いていた頃ケンブリッジ大学の3人の教授に自らの研究の一部を送り、その才能に気付いたG・H・ハーディに誘われイギリスに渡る。1914～19年の間、2人は共同研究を行い、ラマヌジャンは英国王立協会とトリニティ・カレッジのフェローとなった。故郷に戻った翌年1920年、32歳の若さで、栄養失調、肝臓の感染症が原因で亡くなった。