2015年発表したミックステープ・アルバム『You Should Be Here』が2016年2月に行われた第58回グラミー賞にてイキナリのノミネート、そして2015年からロング・ヒットを続けるシングル「クレイジー」、話題の映画『スーサイド・スクアッド』サントラからのシングル「ギャングスタ」の連続ヒット、さらに元ワン・ダイレクションのゼインをはじめ、チャンス・ザ・ラッパー、BJ・ザ・シカゴ・キッド、G-EAZYなど人気アーティストとの共演で一躍シーンの注目アーティストへと躍進したケラーニ。その強烈なキャラとキュートなルックスで人気爆発中の"全身タトゥー"な新世代R&Bディーヴァ、ケラーニが、待望のファースト・フル・アルバムを遂にドロップ! (C)RS
JMD(2017/01/06)
波乱万丈な私生活でも注目を集める西海岸オークランド出身の新世代R&Bシンガー。チャンス・ザ・ラッパーらも参加した2作目のミックステープ『You Should Be Here』(2015年)はグラミー賞にもノミネートされるほどのヒットとなったわけだが、メインで制作したポップ&オークらによって多様な血を引くケラーニらしい全方位なポップネスが引き出されたこの初公式アルバムも期待を大きく上回る。先行曲の"CRZY"や"Distraction"が伝えていたように、楽曲はトラップやアンビエントを通過して90年代R&Bに着地したようなメロディーの良さが光り、仄かな色気や煌めきと諦観が入り混じる人懐っこいヴォーカルも10代でドウェイン・ウィギンス肝煎りのグループにてリードを取っていた実力を証明するような安定感で説得力がある。アリーヤやニュー・エディションの曲を引用して時代の気分を掴んだあたりも吉と出るか。タトゥーの入り具合も含めて共演経験のあるゼインの女性版という安直な喩えにも共感してもらえそうな好盤だ。
bounce (C)林剛
タワーレコード(vol.400(2017年2月25日発行号)掲載)