現代ジャズ・シーンの最先端を走るヴォーカリスト、約2年ぶりのオリジナル・アルバム。"混乱の時代における愛"をテーマに、1年の制作期間を費やして完成した渾身の作品。アメリカのみならず世界各地で起こっている貧困、人種・女性・移民への差別などの問題に向き合い、日々の暮らしや愛の大切さを綴ったオリジナルを収録。 (C)RS
JMD(2017/01/14)
自身の〈ジャズのキャリアの終わりを告げる作品〉と語る7作目。3年前の『While You Were Sleeping』ではロックやエレクトロニカへ冒険しつつもジャズに着地していたが、今作ではジャズ界隈のゲストはなし。制作陣にアンソニー・ハミルトンらに関わるライクマインズやタリオ、マリ・ミュージックらを迎え、さらにR&B/ソウル/ファンクに傾倒している。そのマリ・ミュージックがソングライトした4曲が本作の柱で、スモーキーな歌声を交わす共演"Let It Fall"や、しとやかにピアノが響くスロウ"To Be With You"など、簡素でアーシーな音像からホセの官能性を浮かび上がらせる様が見事だ。他にもドレイク以降のムードやインディー~オルタナR&Bモードも採り入れているが、自身のルーツと出身地ミネアポリスへ捧げた痛快なファンク"Live Your Fantasy"こそハイライト。表題通りに〈混乱の時代における愛〉を歌う本作でまた新たな挑戦を成功させたが、根っこであるジャズに戻る日も待ち望みたい。
bounce (C)池谷昌之
タワーレコード(vol.400(2017年2月25日発行号)掲載)
ここ数年は毎年、貪欲にスタイルを変えつつ新作を発表するホセが更なる新境地を魅せる。「マイルスと同じくらいジェイミーxxが好き」と語る彼がダブステップにも通じる低音使いとスネア連打でトラップ感を醸すビートやピッチシフトしたヴォーカルエフェクトを駆使し、これまでの様なネオソウルの継承とは違った現行のマナーでのR&Bへの本格的なアプローチ。それを決して借り物にさせない説得力の高さは、ホセの歌声の為すところも大きい。この圧倒的官能のエレクトロニック・ファンクネスを前に、彼が歌うのはジャズなのかR&Bなのかを語ることは意味をなさない。既に彼はその先を見ている。
intoxicate (C)片切真吾
タワーレコード(vol.126(2017年2月10日発行号)掲載)