2016年、全国ツアーを敢行。各地のライヴハウスを満席にし、大絶賛されたイスラエル出身のギタリスト、ヨタム・シルヴァースタインの新作が遂にワールドワイドにリリースされます。Fresh Sound New Talentで2003 年にデビューして、本作は通算5作目となりますが、本作はキャリアの中でも飛躍を遂げたマイルストーンと言っていいでしょう。2005年にニューヨークに拠点を移して以来、ジェームス・ムーディ、ジミー・ヒース、フランク・ウエス、ロイ・ハーグローヴといった先輩アーティストの元で着実にジャズの語法、歴史と向かいあってきたヨタム。一方、パキート・デリベラや、モンティ・アレキサンダーといったラテン音楽の巨匠、ジャマイカが生んだ大スターのバンドにも参加し、ツアーにも同行して、世界の音楽を吸収。その経験が混然一体となった結晶がまさしく本作なのです。
ある時は、ブルージー&スウィンギーなビバップ。ある時は、ブラジルのシンガーに魅かれてきたという趣向を形にしたコンセプチュアルな作品『Brasil』もリリース。しかし、本作には、その全てが一つに融合した世界があります。グルーヴ感も最高なコンテンポラリー・サウンドあり、哀愁があふれるミロンガ(M2)あり、情熱的なフラメンコのリズムに、アラビックなフレーズが渦を巻くように繰り出されるナンバー(M7)あり、人柄の温かさを語るような至高のバラード演奏(M3,M10)や、ECM的な静の世界(M5)もあれば、ショーロ(M8)あり、ラストは、トリスターノに着地!☆通常これだけの要素が入ると、アルバムは散漫になるものですが、メンバーに、アーロン・ゴールドバーグのトリオを迎えた鉄壁の布陣で臨んだ演奏は、流れも抜群。そして、どこを切り取っても、メンバーのメロディやハーモニーのセンスがあふれだします。寸分のズレもなくピッタリと繰り出されるテクニックの確かさを語るユニゾン、音楽的なセンスを語る対話をするようなソロ演奏は、ある種痛快そのもの!振り返れば、アーロン・ゴールドバーグ、そして、グレッグ・ハッチンソンはもともと、ヨタムの師匠で、2010年作品『Resonance』にも参加。しかし、今では、結束感も格段にアップ。その関係はアーロン・ゴールドバーグ自身が、"ヨタムとは生徒と先生との関係だったけど、今では、そんなことを越えていいバンド・メイトなんだ"と語った言葉が何より物語っていますが、絶好調のバンド・サウンドがここにあります。目くるめくようなソロが繰り出されるラスト「Lennie's Bird」を聴いてなお、もう一度スタート・ボタンも押したくなるような、今時稀有になった連続聴きの欲求にも駆られる一作。5年のブランクを越えた充実作です。
発売・販売元 提供資料(2016/11/09)