ロック、ソウル、ジャズ、ヒップホップからの影響をバンドに落とし込み、クールでモダンな高い演奏技術で支持を集める6人組、Suchmos。1年6ヶ月ぶりのセカンド・アルバムは、ストリートの殻を破り洗練されたNEW AGEな1枚! (C)RS
JMD(2016/12/11)
CMソングとして世に流れまくっている"STAY TUNE"など2枚のEPからのナンバーに加えて、新曲7曲を詰め込んだ2作目。前作でも窺えたロック志向がより強く打ち出されており、ヘヴィーでソリッドなギターが全編で脈打っている。とはいえ、いずれの楽曲もその軸を担っているのはソウルやファンクを血肉にしたアンサンブル。Suchmosならではのグルーヴを手にしたまま、スタジアム級の会場でもガツンと轟く音像を成立させているように感じられた。アンセミックでありながらブルージーな陰りを帯びた"A.G.I.T."は、そんな本作の変化を象徴する一曲だろう。重いギター・リフが牽引しながらサビでスウィートに変貌する"SEAWEED"など、変則的な展開が盛り込まれた楽曲の存在もおもしろい。80sブギーな"TOBACCO"やエレピが官能的にたゆたう"PINKVIBES"といった直球のメロウ・チューンももちろん健在。デンジャー・マウスを迎えたレッチリの新作あたりを引き合いに出したくなる、スケールの大きな快作だ。
bounce (C)澤田大輔
タワーレコード(vol.399(2017年1月25日発行号)掲載)