2013年、MAZZY STAR再始動&新作『Seasons Of Your Day』のリリースによってまだまだ健在振りを世に知らしめたホープ・サンドヴァル。最近では、DEATH IN VEGASやMASSIVE ATTACKなどとのコラボが記憶に新しい彼女ですが、MY BLOODY VALENTINEのドラマー=コルム・オコーサクとのデュオ名義であるHOPE SANDOVAL & THE WARM INVENTIONSのニュー・アルバムが、なんと約7年振りにリリース!!本作には、カート・ヴァイルをフューチャーしたデュエット曲「Let Me Get There」をはじめ、2016年4月のRECORD STORE DAYで限定リリースされた「Isn't It True」など、全11曲を収録。長年のコラボレーターであるDIRT BLUE GENEの面々をはじめ、ジョアンナ・ニューサムやボニー‘プリンス'ビリーなどの共演でも知られるマリー・スー、マルチ・インストゥルメンタリストのマイケル・マスリーなどが参加し、洗練と熟練が微睡みながら紡がれる甘美な楽曲はどれも捨て曲なしです。
発売・販売元 提供資料(2016/10/21)
2014年にマジー・スターを凍結したホープ・サンドヴァル。今年(2016年)に入ってマッシヴ・アタックのシングル"The Spoils"に客演するなど、少しずつ歌手活動を活発化させてきた彼女が、7年ぶりにコルム・オコーサク(マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン)とのユニットによる新作を発表した。これまでの静謐なゴシック・フォーク路線を踏襲しつつ、輪郭が鮮明で動的なナンバーが増えており、曲によってはノイジーな不協和音やパーカシッヴなギミックも施して、起伏に富んだ展開を繰り広げている。とりわけ耽美に濡れそぼるカート・ヴァイルとのデュエット曲は、大きなアクセントだろう。ふと気付いたのだが、ホープ嬢のデカダンな歌声には独特のタイム感があり、周囲の音がストップ・モーションの如く時を止め、そのなかで艶然と言葉を紡いでいる……とでも表現したい趣だ。そうした奇妙な違和が、聴き手を次第にトワイライト・サイケデリアの深淵へと引きずり込んでいくように思えてならない。
bounce (C)北爪啓之
タワーレコード(vol.397(2016年11月25日発行号)掲載)