ジミ・テナー・ファンの皆さまお待たせしました!10年代に入ってからアフロビートやスピリチュアル・ジャズへの接近で独自のコズミック・スタイルを追求してきたフィンランドの奇才が、トニー・アレンをはじめとした歴戦の猛者たちを従え04年以来となる超久々の単独作をドロップ!いかにもこの人らしいモンドなアナログ・シンセの装飾をところどころにまぶしながら、トロトロに煮詰めた濃厚なアフロ/スピリチュアルのエッセンスをこれでもかとばかりにスパークさせた、キャリアの集大成と断言できる渾身の一枚!
90年代後半から2000年代初頭にかけてUKの名門ワープ・レーベルに3枚のヒット作を残し、フィンランドを代表するエレクトロニック・プロデューサーとして世界的に高い人気を誇るジミ・テナー。
00年代半ばごろからはベルリンのアフロビート・バンド「カブカブ」とのジョイントで好事家たちを熱狂させ、10年代に入ると奥方ニコル・ウィリスとの「Cola & Jimmu」で初期ハウスへのオマージュを込めたダンス・ミュージックで新機軸を開拓、昨2015年はフィンランド・ジャズ最高峰バンド<UMO>との共作でジャズ・マニアを爆死させた北欧屈指の天才アーティストが、トニー・アレンら多くのゲストをフィーチャーして何と2004年の『Beyond The Stars』以来となる単独名義でのアルバムを完成させた!
淡色のパヤヤ・コーラスと浮遊感あるシンセに導かれた冒頭の桃源郷キラー(1)「Cap De Creus」で秒速ノックアウト必至!灼熱のホーンと粘着質なアナログ・シンセがフロアを炎上させる漆黒のアフロビート(2)「Full House」、初期ニコラ・コンテにケニー・ドーハム『アフロ・キューバン』のソウルを注入したかのごとき強力なボッサ・ファンクの(4)「Vortex」、ファラオ・サンダース直系のスピリチュアル(5)「Ursa Major」~(7)「Four Corners Of The Earth」~(9)「Kivinokka 」、ウォルター・ワンダレイ的なラウンジ・ムードにとぼけた電子音を溶け込ませた、いかにもこの人らしいモンド曲の(8)「Meridian Of Peace」などなど、振れ幅広く奥深く、誰も真似できないジミ・テナーの世界観が炸裂した気合の一枚!
来年(2017年)は彼の名声を決定づけたワープ初作『Intervision』から20年!まだまだ進化と深化を続ける奔放な音の旅人の現在進行形の姿に、是非ご注目ください!
発売・販売元 提供資料(2016/09/30)
トニー・アレンやカブ・カブとのコラボ作品でアフロビートに、UMOとの共演ではジャズに接近してましたが、この久々のソロ名義での新作はトニーの参加もあってアフリカ音楽色が強いものの、ジミ特有のモンドな香りも嗅ぎ取れる。北欧とアフリカの距離感がそんな臭いを漂わせるのか、絶妙な折衷具合がマジックを起こしてます。どこだかわからない場所へ連れていってくれる目的地不明感は物凄く貴重です。
bounce (C)池田謙司
タワーレコード(vol.396(2016年10月25日発行号)掲載)