ザ・ストロークスの要=ニック・ヴァレンシ率いる自身初のサイド・プロジェクト<CRX>、デビュー!2000年代にロックンロール・リバイバルの一大ムーブメントを巻き起こし、その後も多くのバンドに多大な影響を与えたザ・ストロークス。そのギタリストとして、2001年のデビューから15年以上に渡ってバンドを唯一無二の存在たらしめる要であり続けてきたニック・ヴァレンシ。バンドの中で唯一ソロ/サイド・プロジェクトを行わなかった彼が、遂に自らが率いるバンド<CRX>を始動させた。<CRX>は、ニックがリード・ギターとヴォーカルを担当し、ドラムにラルフ・アレキサンダー、ベースにジョン・セイフリー、ギターにダリアン・ザヘディ、そしてキーボードにはGuardsやWillowzでも活動しているリッチー・ジェイムス・フォーリンを迎えて構成される5ピース・バンドだ。
2016年8月1日に彼らのSNSでバンド結成を表明したばかりだが、その約2週間後に行われた彼らのお披露目ライヴでは、米メディアもザ・ストロークスをも彷彿させるその"強靭でメロディックなガレージ・ロック"サウンドを大絶賛。プロデューサーはニックとも交友関係の深いジョシュ・オム(クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ/イーグルス・オブ・デス・メタル/ゼム・クルックド・ヴァルチャーズ他)で、そのサウンドに一層の深みと厚みを与え、さらにバック・ヴォーカリストとしても参加しているという。ザ・ストロークスと並行し、この新たなるバンドCRXでゼロから活動をスタートさせたニック・ヴァレンシは、その心境についてSNSでファンから問われると、「めちゃくちゃ楽しいし、すごくエキサイテイングさ!子供に戻ったような気分だよ」と、その意気込みを熱っぽく語っている。バンドはすでにアメリカでの本格ライヴも発表しており、デビュー・アルバムと今後の活動に早くもシーンから熱い注目が集まっている。
発売・販売元 提供資料(2016/09/12)
ストロークスで課外活動を行っていなかった唯一の男、ニック・ヴァレンシがついに動いた。みずからがリード・ギターとヴォーカルを務める5人組バンド、というガチな編成に並々ならぬ気合いを感じるが、開陳された楽曲はより雄弁にその本気ぶりを物語っている。本隊譲りのガレージ要素も覗かせつつ、カーズを彷彿とさせるニューウェイヴ色、チープ・トリックめいたパワー・ポップ、そしてモーターヘッドばりのメタル味が、並列というよりも1曲のなかで渾然一体となって展開されているのだ。ニックの脳内に渦巻く〈俺の思うロックンロール〉をこねくり回して10曲分の団子に丸めたような、強烈なまでの自己発露を感じる。それでいてきっちり整合感があるあたり、プロデュースを手掛けたジョシュ・オムの第三者視点による采配も大きいのだろう。ともあれ、他のストロークス・メンバーのサイド・プロジェクトと比べて、もっとも自身の音楽的パーソナリティーを忠実かつ大胆にアウトプットした、魅力溢れる快作だ。
bounce (C)北爪啓之
タワーレコード(vol.396(2016年10月25日発行号)掲載)