| フォーマット | CDアルバム |
| 発売日 | 2016年10月05日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| レーベル | ワードレコーズ |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| 規格品番 | GQCS-90227 |
| SKU | 4562387201488 |
構成数 : 1枚
合計収録時間 : 01:08:10
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『ブレイヴ』の再来! 多くの人はそう評すだろう。ドライで現代的ながら、叙情的で美しい。そのサウンドは聴いた瞬間から、後期の代表作『ブレイヴ』を想起させる。イントロの電子音が極めて近い音色になっているのは、きっと意図的だろう。
本作のテーマは「新自由主義」と呼ばれる、「持てる者・権力の暴走」である。「エルドラド」「ゴールド」が歌うのは、錬金術でも、ゴールド・ラッシュでもない。「経済」や「資本主義」そして「格差」である。
社会批判を交えながらも、少女の逃避行に焦点を当てた『ブレイヴ』は、ある面、「Don't Cry」的で、ラヴ・ソングに近い描き方も使えたのに対し、社会情勢の描写をメインに据えた本作は、歌詞が難しく、覚えやすいフレーズは少なめである。歌詞がメロディーに乗り切れていない部分も結構ある。だが、ピケティが「21世紀の資本」で証明した、1%の大富豪と99%の貧困層を生む、資本の継承問題を、きちんと歌で描いている点に、このバンドの意識の高さを感じる。
単品独立で、素晴らしいソング集として成り立っていた『美しき季節(とき)の終焉』、『楽園への憧憬』の方が、肩肘張らずに聴けて個人的には好きなのだが、こうした壮大なテーマに挑むのも、また、マリリオンである。スティーヴ・ロザリーのギターが、久々にロックしているのもポイント。比類無き完成度だった『ブレイヴ』には流石に及ばないが、『F E A R』は、後期マリリオン、久々の快作であると思う。