1958年生まれ、'87年にCriss Crossに第一作を録音してから、30年の時を迎え、今やベテランの域に入ってきたアルト奏者ジム・スナイデロのSavant第7弾。メル・ルイス、秋吉敏子、またミンガス・ビッグ・バンドといった名だたるビッグ・バンドでも活躍。また、ブライアン・リンチやコンラッド・ハーヴィク、またエリック・アレキサンダーと共にフロントを飾った諸作品の演奏には、ハードバップの伝道者としてのイメージも強いことでしょう。しかし、近年のスナイデロは、アグレッシヴ!2作前より、リンダ・オー、ルディ・ロイストンがリズムに加わり、前作では、ファビアン・アルマザンがピアノに加わり、作品はぐっとカッティング・エッジな方向に舵を切り、本作は、その路線を一歩進めた一作となりました。ベースには新たに、トム・ハレル・バンドなどで活躍するウゴナ・オケグオを迎え、編成は、トランペッター、アレックス・シピアギンを迎えてクインテットに拡張。ポスト・バップなドライヴ感と、ポスト・Mベースなアクセントも感じさせるリズムをバックに、スピリチュアルな演奏を展開していきます。湧きあがる感情をよどみなく発していく演奏には、止まらないクリエイターとしての頼もしい姿も。66年のマイルス・デイビスのクインテットの創造性をリスペクトしたその名も「MD66」という一曲目から現代的なモード演奏が迸ります。伝統的なものを呼吸した作品をたっぷり出してきたアーティストが50代にして表現を拡張する、勢いがあふれた力作です!

発売・販売元 提供資料 （2016/09/23）