ヤー・ヤー・ヤーズやブラック・ダイスと共にポスト・パンク新世代の旗手として、2000年代のブルックリン・シーンを牽引したフリーキーかつアヴァンギャルドなアート・ロック・バンド、ライアーズ。この10余年の間にロサンゼルスやベルリンなど活動拠点を転々とし、それに伴いサウンドも目まぐるしいトランスフォームを重ねてきた彼らが、現代最強のエクスペリメンタル・ロック・バンドへと進化し、最新作をMuteからリリース。トム・ヨークやデヴェンドラ・バンハートらがリミックスを手掛け、ピッチフォークにてBest New Musicを獲得し話題となった『Sisterworld』を経て、インダストリアルなダーク・ウェイヴ路線を邁進した。『WIXIW』に続く7作目となる本作は「前作『WIXIW』とまったく逆の方向性の作品になっている。」とメンバーが語るように、正反対ともいえるライアーズ史上最も突き抜けた作品に仕上がっている。また先行シングルとして話題のM-6「Mess On A Mission」は、ブロック崩しの効果音のような電子音のギミック、淡白なドラム・ビートからの巨身アンガス・アンドリューのファルセットと相まって熱気を帯びていく、ライアーズの十八番といえるパンクでレイヴな変態アングラ・ディスコを展開。インダストリアルやゴシックの意匠も先駆けて打ち出してきたその先鋭性は、それこそデムダイク・ステアやザ・ナイフと並べて語られるような、同時代的なインディ・ロックの文脈に照らし合わせて評価されるべきだろう。ビートを軸にミニマル、ジャーマン、インダストリアル、エレクトロなど様々なカラーのサウンドが飛び交う、大胆に変貌を遂げた今作はライアーズの最高傑作と言える充実な完成度!
発売・販売元 提供資料(2016/08/04)
ミュートに移籍して丸10年、NYの異能音楽集団はこの通算7作目でついに別次元へと旅立ってしまったようだ。身体に直で打ち込まれる強靭なビート、思考を停止させる奇怪なシンセ・リフ、呪文のようにも聴こえる淡々とした歌── エクスペリメンタル・ロックのその先には、〈エレクトロニック・デス・ディスコ〉と呼ぶべき暗黒舞踏世界が広がっていた! ファクトリー・フロアにヤラレた人、2014年はこれですよ!
bounce (C)武田晃
タワーレコード(vol.365(2014年3月25日発行号)掲載)