プリンス直系のソングライティング・センスとヴォーカル・パフォーマンスの才能を開花させ、ソウル、ロック、ファンク、ポップスをエクレクティックに纏め上げる異能、ジェイミー・リデル。ザ・インデペンデント・ミュージック・アワードでベスト・ポップ/ロック・アルバムに選出された『JIM』(08年)、マイケル・ジャクソンやマーヴィン・ゲイとの仕事で知られるジェイムス・ガドソンをドラマーに迎え、ベックがプロデュースしたことでも話題となった『COMPASS』(10年)、そして5作目となる最新作『JAMIE LIDELL』が2013年2/6(水)国内先行でリリース決定! 敬愛するプリンスはもちろん、ジョージ・クリントン「アトミック・ドッグ」やマイルス・デイヴィスと活動をしていたエムトゥーメイ、キャメオ、そしてボビー・ブラウンをはじめとするニュージャック・スウィングにインスパイアされたという本作は、モダナイズしたエレクトロ・サウンドの中を、ソウルフルに、ファンキーに、そして官能的に歌い上げるまさに"リデル・スタイル"な作品に仕上がっている。
発売・販売元 提供資料(2016/08/04)
アルバムごとにアーティスト・イメージを更新してきたジェイミー・リデルの5作目はズバリ、80s直系の内容だ。プリンスを筆頭にPファンクやエムトゥーメイ、ジャネット・ジャクソンなどを引き合いに出せる音ながらも単なる回顧には終わらず、よりエモーショナルになった歌唱も然り、トラップ・ビートを採用した"What A Shame"といったトレンドの挿入も然り、ジェイミー流の遊び心と実験に満ち溢れたエレクトロニックなシンセ・サウンドが煌めく。それはまるで当時の音楽が持っていたエナジーやグルーヴを、自身の培ってきた手法をもって現代に再生する試みのよう。80年代から大いに影響を受けた73年生まれのアーティストが初めてセルフ・タイトルを冠した作品で提示したのは、自身の原点への回帰だった。
bounce (C)池谷昌之
タワーレコード(vol.352(2013年2月25日発行号)掲載)