疑いようのない音楽センスと、蓄積された深い知識と経験によりいつの時代も第一線で活躍してきた英国音楽界で最もリスペクトされているDJ/プロデューサー、アンドリュー・ウェザオール。今回彼がパートナーに選んだのは、インディーダンス・ユニット、バタントに所属し、ロンドンやドイツの名だたる名門クラブを筆頭にヨーロッパ中でDJを行うティモシー・J・フェアプレイ。本作においてはトゥ・ローン・スウォーズメンの『Wrong Meeting』、そしてアンドリュー・ウェザオール名義でリリースされた『A Pox on the Pioneers』でフィーチャーされたロックンロール・サウンドからは離れ、より純粋なエレクトロニック・サウンドに回帰すると共に、また新たな境地にたどり着いている。ずっしりと反復するビートに重なるしなやかなメロディ。どれも特徴的で不気味で危険な色気を纏ったサウンドはまさにウェザオールの刻印が捺されたものであり、ギター・サウンドは荒々しい衝動に満ち溢れながら、ダビーにそして、サイケデリックに深く鳴り響く。さらに英国を代表する詩人ジョン・ベッチェマンの詩をフィーチャーした「Late Flowering Lust」とネオ・サイケデリアの旗手A.R.ケインの名曲をカバーした「A Love From Outer Space」の2曲がこれほどまで、自然に心地よく一枚のアルバムに収録されているのは驚きで、これまで彼がそうしてきたようにまた新たなダンス・ミュージックの潮流を予見する特別な空気が宿っている。ウェザオールとフェアプレイの類稀なセンスによってまたダンス・ミュージック史に名を残す確かな名作が誕生した。
発売・販売元 提供資料(2016/08/08)
ミックスCD『Masterpiece』でもみずからプレイリストにブッ込んでいた、アンドリュー・ウェザーオールの新ユニットが待望のアルバムをリリース。同名のパーティを主催するほど思い入れの深いAR・ケインのカヴァー“A LoveFrom Outer Space”をはじめ、グッとこみ上げるメロディーがズシンと反復するビートに重なる、ダビーなエレクトロニック・サウンドを展開。ミッドテンポだからこそトビが効く! ですよね、番長?
bounce (C)佐藤大作
タワーレコード(vol.349(2012年10月25日発行号)掲載)