『Jim』はジェイミー・リデルである。この作品には彼の全てが凝縮されている。ソニック・サイエンティストであった彼がアップリフティングなソウル・レコードを作ることなど誰も予想してはいなかったが、彼はやってのけた。そしてオーディエンスと批評家、ミュージシャンは、彼のソング・ライティング、細かいプロダクション・スキル、そして何よりも素晴らしい声を大絶賛する。ジュールズ・ホランドは彼の大人気番組<Later>で一緒にピアノを弾き、サー・エルトン・ジョンはジェイミーのファンだと公言し彼のUSスタジアム・ツアーのオープニングアクトに抜擢(!)、ファイストは大ヒット作『The Reminder』で彼を才能溢れるアレンジャー(とバッキング・ヴォーカリスト)として見出し、ベックはジェイミーをレコーディングに参加させ、大規模なUSツアーにも参加させたのである。そんな喧噪をまるで楽しむかの如く、彼は更に大胆に新作を製作する。リトル・リチャード、ジミヘン、スライ、マーヴィン・ゲイそしてプリンス、スティービー・ワンダー、、様々な影響をマッシュ・アップしたものと語る今作。聴いた途端にあなたのスイッチを"On"にし瞬く間にダンスフロアへと誘うであろう。2008年、女はアデル、男はリデルである! 男版エイミー・ワインハウス的な衝撃作!!
発売・販売元 提供資料(2016/08/04)
90年代中期からサウンド・アート集団のノー・フューチャー一派に属し、ボスのクリスチャン・ヴォーゲルと共に結成したスーパーコライダーやソロ名義の楽曲で、実験的なミニマル・テクノを追求してきたジェイミー・リデル。それが、前作『Multiply』(2005年)から自身のヴォーカルに焦点を当てるようになり、テクノの手法に基づきつつも並外れた歌唱力を反映させた、エレクトロニック・ソウルの確立に成功したのです。待ちに待った今作も共同プロデュースに奇才・モッキーを迎えながら前作の路線を継続し、生音を多用してソウル/ファンク色をより濃くしています。音の感覚はホワイト・ソウルなのですが、内に秘めたブラックネスの爆発力は凄まじい。いや、こりゃマジでホントに素晴らしい作品ですぞっ!!
bounce (C)ヤス2B
タワーレコード(2008年05月号掲載 (P70))