1960年生まれ、現代屈指のサックス・プレイヤー/アーティストであるケニー・ギャレットのMack Avenue第4作!18歳にしてデューク・エリントン・オーケストラに参加。80年代には、アート・ブレイキー、マイルス・デイヴィス、フレディ・ハバード、ウディ・ショウのバンドに新進のアーティストとして在籍。そんなケニー・ギャレットは近作で、自分を引き上げてきてくれた先達への感謝を表明、また新しいアーティストの抜擢、未来への道の開拓を見せてきましたが、本作では観客・リスナーが鍵になったようです。現代において、ケニー・ギャレットのバンドほど、オーディエンスを巻き込んで会場を一体化させ、興奮させるジャズ・バンドはない、というものですが、ケニー自身は、そこで踊り楽しむオーディエンスにインスパイアされてきたのだとか。またFaceTimeを介してタイトル・トラックの演奏をみせた時に、娘が微笑んだのを見て、コレだ!と確信したのだそうです。打ちだした本作のタイトルは、ずばり!?<Do YourDance!>。ケニー曰く、(他人がどんなスタイルで踊っていても)"自分の思うように踊ろう!"というメッセージを込めた作品。その演奏は、リスナーの体を揺さぶり、突き動かします!しかし、決してコマーシャルでないのは言うまでもありません。まぎれもない"ケニー・ギャレットのケニー・ギャレット流儀による"スピリチュアル・ジャズ・ダンス・ナンバー集!
「時にはバラードを演奏したり、強烈な音楽を演奏したり、でも最後にはパーティのような楽しく開放的な気分になれるといいんだけど。」とも語ったというケニー・ギャレット。陽気でありつつ、同時に求道的、そして音楽の楽しさ、力を確信したアーティストらしい一作!メンバーも1983年から共演するという古株のルディ・バードを筆頭として、今やおなじみのメンバーたち。ジャケを含めパッケージは、ユニークさたっぷりのものになっていますが、POPさと硬派さが一体化した作品です。
発売・販売元 提供資料(2016/07/01)
お前の踊りを踊れ!まるで江戸アケミのようなタイトルに、親日家だしまさか…という妄想はさて置き。2曲でラッパーを迎えている以外クラブミュージック的なアプローチは殆どなく、彼の得手であるスピリチュアルなブロウとワールドミュージック要素が一層フル回転している。若手のフックアップに熱心な彼だからこそ、現代ジャズの様々なアプローチを認めつつ「俺はコレだぜ!」という寛容でポジティヴかつブレないジャズへの真摯な姿勢が見えてくる。つまり、これは紛れもなくギャレット流ダンスミュージックなのだ。カマシ・ワシントン作品でも剛腕を揮うロナルド・ブルーナーJr.のドラムも聴き所。
intoxicate (C)片切真吾
タワーレコード(vol.123(2016年8月10日発行号)掲載)