元ブラック・クロウズのフロントマン、クリス・ロビンソンが率いるバンド、クリス・ロビンソン・ブラザーフッド。変わらず高い評価を獲得した2014年の前作『PHOSPHORESCENT HARVEST』から2年、初のセルフ・プロデュースとなる通算4枚目のアルバム。 (C)RS
JMD(2016/08/27)
元ブラック・クロウズのフロント・マン、クリス・ロビンソンが率いるバンド、クリス・ロビンソン・ブラザーフッド。変わらず高い評価を獲得した前作から2年、初のセルフ・プロデュースとなる4枚目のアルバムが遂に完成。
新作『Any Way You Love, We Know How You Feel』のレコーディングの為にスタジオに入ったとき、どういった内容の作品になるかは誰も予想が出来なかった。なぜなら当作は、新しいドラマーであるTony Leone加入後初のアルバムで、バンド初期からのメンバーでもあるベーシスト、Mark "Muddy" Dutton脱退後初のアルバムでもあり、しかも、初めてのセルフ・プロデュース作でもあるからだ。
過去のアルバムのレコーディングに際して曲やアレンジは事前に決定されていたが、当作のレコーディングにあたりChris Robinsonはよりオープンマインドの姿勢であった。彼はバンドのメンバー変更を受け入れ、常にバンドがライヴで見せてきた〈即興〉に傾倒した方法でレコーディングは行われた。
「こうした変化をチャレンジとは思わずに、ちょっとエキサイティングな事、と捉えるようにしたんだ。自分たちの表現が自分たちを何処に連れていくかを知る良い機会となったよ。レコーディングの際に本当にピリピリするような人もいるようだけど、僕らにとってはちょっとゆったりとしたほうがベターなんだ。まさに直観でアイデアが湧き出すところに従ったんだ。僕がかかわった作品の中でも最もスポンテイニアスな作品だ」とクリス・ロビンソンは語っている。
しかも、今作は今までの中でも最もベストなレコーディング経験をもたらすことになった。セッションの為にバンドはカリフォルニアの北部に移り、霧の太平洋を見下ろす山の側でベストな環境下でレコーディングは行われた。自然の威厳と結びつき、当地のメランコリックな気候がアルバムに収録される8曲には注入されている。
発売・販売元 提供資料(2016/07/28)
新ドラマーにオラベルのトニー・レオンを迎えた4枚目のアルバム。サイケ風味もあるスワンプ/ブルース・ロックという意味ではこれまでと変わらないものの、ジャム・セッションで曲を作り上げたせいか、躍動感に満ちていて展開も多く、長尺のナンバーが並んでいるわりに聴き手を飽きさせない。大らかなサウンドのなかに、塩辛いクリスのヴォーカルがヒリヒリした緊張感を宿らせている点も素晴らしい。
bounce (C)山口智男
タワーレコード(vol.394(2016年8月25日発行号)掲載)