スケプタの次はコレ!UKグライム界の伝説的MCフロウダン、100%ストリート産の超重量級新作
スケプタの世界的ブレイクにより、さらに隆盛を極めるUKグライム・シーンにおいて「その類稀な声をもってUKクラブ史に名を刻む伝説的な存在」として崇められるMCのひとり、フロウダンが15年以上のキャリアの集大成として完成させた新アルバムをリリース!
マスロ、スウィフタ・ビーター、そしてリーサル・ビズルのグライム・クラシック「POW」を手掛けたデクスプリクトら新鋭プロデューサーを引き連れ、ダークでヘヴィーながらも多彩なトラックの上でドスの効いたヤーディなフロウで強烈な存在感を放つアルバムはすでに「フロウダンのアルバムがヤバい!」(ワイリー)、「フロウダン先生!」(コード9)、「超ヤバい、最高!」(トドラT)と絶賛の嵐!
客演には盟友マンガとティンチー・ストライダーを迎え、ポスト・ケイティBの呼び声高い新人シンガーのアニマイを4曲でフィーチャー。"マスターピース"ではなく"ディザスターピース"、純ストリート産のハードコアでメロディックなグライム・シンフォニーが高らかに鳴り響く傑作がここに誕生した。
発売・販売元 提供資料(2016/08/18)
NME (Magazine) - "[I]t has vision too. Viewed one way, it's a sort of concept piece to surviving hard times, from the brooding `Judgement' -- a veteran's march to war, set to booming drums and gnarly guitars recalling Massive Attack's `Mezzanine' -- to `Groundhog', a narrative fable of struggle in a cold world..."
Clash (Magazine) - "The album draws in particular on Flowdan's work with producers from the deeper end of the dubstep spectrum and appearances on Rinse FM shows with scene-shaping DJ Youngsta."
Rovi
エスキビートからの『Original Dan』(2009年)はあったものの、ようやくの晴れ舞台と言ってもいいだろう。ペイ・アズ・ユー・ゴー時代からワイリーと行動を共にし、ロール・ディープで脚光を浴びたヴェテランの凄みは、意外にもトゥルー・ソーツから出たこのニュー・アルバムで完全に開花している。近年はスウィンドルやモードステップの楽曲でもディープな声の威力を乞われていた彼らしく、本作でもアニメイの幻想的なコーラスを纏ったケイト製の冒頭曲"Chosen"やクリプティック・マインズらしいパーカッシヴなダブステップ"Judgement"から、ラガ交じりの重々しいフロウで静かに放熱。鋭角的なマンガのフロウと対を成すスウィフタ製の"Dons And Divas"、ティンチー・ストライダーを迎えた"Gunfingers"のような豪速球グライムでの着火ぶりもヤバい。ハイパーダブに残した『Serious Business EP』(2014年)の暗黒の先も覗いてみたかった気はするが、対応力の高さも提示した文句ナシのマスターピースだと思う。最高。
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.394(2016年8月25日発行号)掲載)