"アデルの再来!"としてローリング・ストーン、WWD他、有力音楽メディアが絶賛する、オーストラリア・ブリスベン出身、19歳のシンガー・ソングライター"グレイス"のデビュー・アルバム。オーストラリアからアメリカに渡りアメリカのRCAが契約したという、シーアに続くオーストラリアからの歌姫としても期待されている。2015年にリリースされた「You Don't Own Me (feat. G-Eazy)」は、1960年代にレスリー・ゴーアの歌唱でヒットした同曲のカバー。グレイスの歌声を聴いたクインシー・ジョーンズが、当時自身がプロデュースした「You Don't Own Me(邦題:恋と涙の17才)」を是非彼女にカバーして欲しいとプロデュースを申し入れたという逸話でも話題に。母国オーストラリアで1位を獲得しただけでなく、Spotifyの各国バイラル・チャートで1位を獲得。イギリスでのプロモーションでも大好評を博し、動画再生回数は約4000万回に達している。また2015年にリリースされたニーナ・シモンのトリビュート・アルバム『NinaRevisited…A Tribute To Nina Simone』では、ローリン・ヒル、メアリー・J・ブライジ、ジャズミン・サリヴァン等が名を連ねる中、唯一の新人アーティストとして異例の抜擢で参加し、「Love Me Or Leave Me」を歌唱。ロバート・グラスパーによるトラックに載せた切なくクールなヴォーカルで、オーディエンスを圧倒した。収録曲中、カバー曲以外ではソング・ライティングを手掛けており、こちらでも早熟な才能を遺憾なく発揮している。若く鋭い感性によって捉えられたブルージーでヴィンテージ・テイスト漂うサウンド、そして誰をも唸らせるヴォーカル。世代やジャンルを超えて愛されうる、歴代の女性アーティスト達に並ぶ逸材だ。
発売・販売元 提供資料(2016/06/03)
ニーナ・シモンのトリビュート作に唯一の新人として抜擢されていた、オーストラリア出身の19歳から初フル・アルバムが到着。昨年(2015年)のデビューEP『Memo』では60年代ヒット〈恋と涙の17才〉をクインシー・ジョーンズの手引きにてリメイクしていたが(本作にも再収録)、アルバムを聴けばお仕着せのレトロ・ヴィンテージ風味では満足しない生意気そうなムードがビンビン。冒頭の"Church On Sunday"を筆頭にビートの立ったヒップホップ・ソウル的な曲も多く、その上で熱く歯切れ良く歌っていく様子がじつに小気味良いし、打って変わってティーンの恋模様をモチーフにした"Hell Of A Girl"では切なげにかすれる表情豊かな歌を魅せる。ロード先輩やエイミー・ワインハウスに通じるスモーキーな歌声は早熟と言えるが、まだ熟しきっていないフレッシュでイキのいい佇まいは伸びしろも感じさせてくれる。表題は〈Forgive My Attitude〉の略だそうだが、大きいのは態度じゃなく器なのかも。
bounce (C)池谷昌之
タワーレコード(vol.393(2016年7月25日発行号)掲載)