2015年11月にデビュー25周年を迎えたLITTLE CREATURES。1990年にデビュー以来、メンバー個々の活動と並行して緩やかに歩を進めてきた彼らが、約5年ぶりに通算7枚目のオリジナル・アルバムをリリース。初の全編日本語詞による今作はトリオ編成ならではの、ドラム、ベース、ギターだけの超ソリッドな驚異の断捨離サウンド。日本ロック・シーンに一石を投じる作品が完成! (C)RS
JMD(2016/05/21)
20周年のタイミングで制作された『LOVE TRIO』から5年ぶり、25周年目のご挨拶。なんと〈らしい〉タイトルだろう。〈何かおもしろいものはないか〉と未知なるほうへ勘を頼りに進み続けてきた彼らの新たな到達点が見られるのだろうとフタを開けてみれば、どこまでも自由なロックを奏でながらどんぶらこと流れていく3人が見えてきた。初めて全編で日本語詞を採用していることに目新しさを感じるが、鋭く尖った言葉の強烈な威力にこそまず注目したい。そんな歌詞に合わせるように青柳のギターはめっぽうシャープ(かつときどき変態チック)な音色を紡ぎ出しており、いつになく大胆な野心を感じさせる。そして、柔軟でありながら統制の取れたグルーヴは熟練とは何たるかを見せつけ、時折〈ヘンテコ〉というほかないビートを挿みつつ、多彩な緩急をつけている。カジュアルな雰囲気に包まれていながら、聴くたびに胸を熱くさせずにはおかない文字通りの〈ソウル・ミュージック〉。マジでなんなんだろう、このイイ感じは。
bounce (C)桑原シロー
タワーレコード(vol.393(2016年7月25日発行号)掲載)