琉球王朝時代に宮廷音楽として演奏されていた音楽の総称が琉球古典音楽です。その成立は湛水親方こと幸地賢忠<こうちけんちゅう>(1623~1683)によるものとされております。幸地は大和(沖縄から見て内地)の音楽や芸能にも通じていましたが、心に期する所があり三線や歌をはじめとする琉球音楽を大成させました。琉球古典音楽は主に冊封使(さっぽうし︓中国の皇帝が朝鮮、ベトナム、琉球などで国王が新たに即位する際、その即位を認める勅書等を携えて来た使者)や薩摩藩、江戸幕府に対する接遇として披露されていました。その曲数は200曲あまりあり、琉球舞踊や組踊、琉球芝居の楽曲としても演奏されています。演奏は一人の奏者が唄と三線を奏でる独唱と、複数の奏者による合唱とがあります。本作は琉球古典音楽の大家である城間徳太郎氏に長く師事してきた野原廣信による独唱で録音しました。沖縄民謡とはひと味違う琉球古典音楽には、悠久の歴史を経て来た重みと、ゆったりとした情緒感があります。また歌われている歌詞には、"世の中の事を処するには誠の心で貫くことが最も大事なことである。この心持で凡てに接して居れば、どうして言葉が合わないということがあろうか"(仲風節)と言った内容があるなど、現代に於いても十分通用する歌詞です。また本作収録の「かぎやで風節」は沖縄では歌われない日がない程、結婚式などあらゆる種類の祝宴で歌われており、人々の生活に深く浸透しています。なお、アルバムのサブタイトル、"命ど宝どう"は"命こそ宝だよ"という意味です。このサブタイトルには、沖縄が抱えるさまざまな問題がいつか全て解決して、心から祝賀の歌曲である「かぎやで風節」を歌い踊りたいとの思いと、沖縄の古くからの格言である"命ど宝どう"こそ琉球古典音楽が持つ精神性の大切な一つであることからつけられました。
収録曲全曲の楽譜(全52ページ、三線用と歌唱用)付き!
発売・販売元 提供資料(2016/06/23)
琉球王朝時代(1429~1879)から現代に至るまで、長きに渡り演奏され、歌い継がれて来た琉球古典音楽の魅力を伝える決定盤!沖縄の結婚式では式の始まりに必ず歌われる琉球古典音楽の代表曲「かぎやで風節」。時代を超えて歌い継がれて来た琉球古典音楽の代表曲を収録。琉球古典音楽の大家である城間徳太郎に長く師事して来た野原廣信の唄と三線の独唱による録音。録音には笛に仲田治巳、琴には糸数初枝、具志堅初美、新垣米子、中村千恵子が参加。 (C)RS
JMD(2016/05/14)