元JAPANのスティーヴ・ジャンセンのアルバム。実兄であり、同じく元JAPANのデイヴィッド・シルヴィアンと共に設立したレーベルからリリースした初のソロ・アルバム『スロープ』以来9年ぶりとなる本作は、いくぶん内省的ながらも、緻密に構築された音世界は健在。滋味深く感動的な、ジャンセン流の美意識に貫かれた一枚。 (C)RS
JMD(2016/05/07)
1970年代末から80年代初頭にかけて日本でも絶大な人気を誇った元JAPANのスティーヴ・ジャンセン。2015年、かねて交流の深い高橋幸宏のプロデュースによる初の写真集を発表し、話題となった。彼が実兄であり、同じく元JAPAN のデイヴィッド・シルヴィアンと共に設立したレーベル、サマディサウンドからリリースした初のソロ・アルバム『スロープ』以来、じつに9年ぶりにリリースするアルバム。『スロープ』よりもいくぶん内省的ながらも、緻密に構築された音世界は健在。ともに前作に続いての参加で、ともにサマディサウンドからアルバムをリリースしているトーマス・ファイナーとティム・エルセンバーグ(スウィート・ビリー・ピルグリム)の二人に加え、ニコラ・ヒッチコック(元マンダレイ)らがゲスト・ヴォーカリストとして参加。各人各様の歌声で楽曲を彩っている。チェロの徳澤青弦(anonymass、Throwing a Spoon)が参加したインストのM4 も美しく味わい深い。滋味深く感動的な、ジャンセン一流の美意識に貫かれた傑作である。海外はBandcamp販売のみ。一般販売は日本のみ。
P-VINE
発売・販売元 提供資料(2016/04/28)
もはや〈元ジャパン〉という形容も不要であろうドラマーの、9年ぶりとなる2枚目のソロ作。3人のゲスト・シンガーがそれぞれ魅惑的なパフォーマンスで華を添えているが、やはり周到に作り込まれた奥深いトラックこそが要。前作のエレクトロニカ路線を緩やかに継承しつつ、よりリリカルな静謐さとストイックな緻密さを研磨した音響が、物憂くも澄み切った緊張感を持続させながら独特の美的空間を構築している。
bounce (C)北爪啓之
タワーレコード(vol.392(2016年6月25日発行号)掲載)
スティーヴ・ジャンセンと同じく元ジャパンのデヴィッド・シルヴィアンと共に設立したレーベル、サマディ・サウンドからリリースした初ソロ『スロープ』より9年、待望のソロアルバムが発表された。本作にはトーマス・ファイナーとティム・エルセンバーグ、元マンダレイのニコラ・ヒッチコックらがゲスト・ヴォーカリストとして参加している。美しい旋律と曖昧模糊とした楽曲構成が同居した、スティーヴ・ジャンセン特有の感性が全編に渡り貫かれており、この耽美的サウンドは他では体験出来ない唯一無二の世界。チェロで徳澤青弦も参加し、インスト楽曲でアルバムに物語性を加えている。
intoxicate (C)池田敏弘
タワーレコード(vol.122(2016年6月10日発行号)掲載)