シャルロット・ゲンズブールのカタログを一挙取り扱いスタート!デビューアルバムから20年後にリリースされたナイジェル・ゴッドリッチがプロデュースを務めるシャルロット・ゲンズブールの2ndアルバム『5:55』!(2006年作品)
1986年、父セルジュ・ゲンズブールのプロデュースでリリースした『魅少女シャルロット』から20年後にリリースされた2ndアルバム。プロデュースはナイジェル・ゴッドリッチが担当。シャルロットはレディオヘッドのコンサート会場でナイジェルと出会いアルバムのプロデュースを依頼する事となる。本アルバムの全曲とも作曲はエール(ニコラ・ゴダン、ジャン=ブノワ・ダンケル)が担当。作詞は元パルプのジャーヴィス・コッカーが中心となり行った。ベックの父親であるデヴィッド・キャンベルがストリングス・アレンジで参加している。本作はフランスのアルバム・チャートに初登場で1位に輝き、7週に渡ってトップ10入りという大ヒットを記録。アメリカでは、シャルロットのアルバムとしては初めてBillboard 200にチャート・インを果たしている。
発売・販売元 提供資料(2018/03/02)
〈なまいきシャルロット〉も今年で35歳。2児の母となった彼女が『Lemon Incest』以来なんと20年ぶりとなる新作を完成させた。純粋に彼女の声を気に入ってプロデュースを引き受けたというナイジェル・ゴッドリッチ以下、作曲と演奏にエール、作詞にジャーヴィス・コッカー(元パルプ)とニール・ハノン(ディヴァイン・コメディ)、ドラムにトニー・アレン、弦アレンジはベックの父でもあるデヴィッド・キャンベルと、本作を固める布陣は彼女の求める陰影や微妙な色合いを楽曲に投影。彼女自身、父セルジュと母ジェーン・バーキンを意識してしまうため、あえて高音と仏語は封印したということだが、囁くような英語のヴォーカルは耽美的で幻想的な夜のポップス世界へと静かに滑り込む。女優の素顔はわかりにくいものだが、装飾を限りなく剥ぎ取られたこの声はもしかすると……そんな謎めいた魅力が、本作にはある。
bounce (C)小野田 雄
タワーレコード(2006年11月号掲載 (P84))