ジェシー・ランザの2ndアルバム『Oh No』は、本人が日々感じる緊張やプレッシャーに対する回答である。かつては心を休めてくれた音楽制作が、自らに重圧を与え結果的に不安をかきたてる要因となってしまった。"Oh No"という叫びは彼女の平穏を乱す様々な事柄を表現している。ただその一方で、自信やダイナミズムも表現され、最近ではカリブーやDJスピン、モーガン・ガイストや彼のギャレリア・プロジェクトともコラボしている。
彼女のホームタウン、カナダのオンタリオ州ハミルトンで、プロダクション・パートナーであるジュニア・ボーイズのジェレミー・グリーンスパンと制作された本作は、物哀しく、細かいリバーヴの効いた1stアルバムのムードからはより直接的で、堂々として喜びに満ちた作品となっている。また、80年代ジャパニーズ実験エレクトロ代表格のイエロー・マジック・オーケストラの哲学に共振、そしてジェシーのピッチの高い歌声はYMOのコラボレーター、コシ・ミハルを連想させる。滝のように流れるアルペジオ、弾けるドラム・マシーン、そしてブリージーな歌声、『Oh No』は1stアルバムから続く熟成したキャッチーなエネルギーの賜物である。「作品を通じて人々を気持ち良くさせたいし、私自身も気持ち良くなりたい」と、ランザは語る。
緊張やプレッシャーとの戦いの痕跡はアートワークにも隠されており、例えばそれはスリーヴやMVに出てくる植物である。ランザ曰く、「熱帯植物の虜になったのよ。それで自分を囲い込む。おかしな話に聞こえるかもしれないけど、家の中の空気は汚れていてゆっくりと私たちを侵していく。だけど植物がそれを和らげてくれるの。」
不安や植物療法、またはそれらに関わらず、『Oh No』はランザが自らのサウンドにおいて新たな一歩を踏み出した、力強い2ndアルバムとなった。
発売・販売元 提供資料(2016/04/13)
Spin - "[T]he music creates so much space for Lanza to work her own vocal magic, sounding exponentially more assured and adventurous than before....Lanza's increased confidence provides so much more color on OH NO..."
NME (Magazine) - "Lanza's reliance on a soft '80s groove layered with funk-rooted electronica is pure Paisley Park, and her lush, airy vocals float like candyfloss across the top of it all."
Clash (Magazine) - "Driven by crispy drum machines and shimmering synths, Lanza's second full-length Hyperdub offering is instantly more direct and relatable than its predecessor; cloudy reverb is replaced by sheeny production."
Rovi
前作から引き続きジュニア・ボーイズのジェレミー・グリーンスパンと作り上げた、インディーR&Bの才女によるセカンド・アルバムは、これまで閉じ込めていたエモーションを解き放ち、外向きなエナジーで満たされている。近年のグライムスを彷彿とさせる弾けたポップネスや力強さを秘めた歌唱が、躍動するビートに導かれてダイナミックに展開され、いままでのイメージを覆す清々しい一枚だ。
bounce (C)青木正之
タワーレコード(vol.391(2016年5月25日発行号)掲載)