2013年に『Trios』をリリースしたCarla Bleyのトリオ、3年ぶりの新作が登場。本作もCarla Bley本人によるオリジナリティあふれる新曲ばかり、ジャズ・コンポーザーのセンスが光る。"Saints Alive!"ではSteve SwallowとAndy Sheppardの楽器での会話も楽しめる。また、"Naked Bridges/Diving Brides"ではメンデルスゾーンやPaul Hainesの詩からの影響も垣間見ることができる。そしてメインとなるのはタイトルとなっている3部構成の楽曲-これは依存症からの回復における試練や苦難を描いたもので、悲しみから喜び、希望へと変わっていく。
Sheppardと Swallowとのトリオはもう20年以上にもなるが、カーラの作曲が最も生かされるバンドでカーラのユニークなピアノも聴くことのできる最高の構成。 前作同様、本作は Luganoの RSI Studioで録音、 Manfred Eicherのプロデュース。206年5月11日に80歳の誕生日を迎えるカーラの生誕80年を祝う作品にもなっています。
発売・販売元 提供資料(2016/04/01)
カーラ・ブレイが80歳になったらしい。ゾクゾクと訃報が舞い込む今日この頃、何やらとても嬉しい。しかし、そのカーラの書いた新作は今の日本のスポーツ界には意味深な曲だ。組曲《Andando el Tiempo》は、(麻薬などの)中毒患者が中毒から解毒され、治癒する三段階を表現したものだという。続く、2曲目は、老婦人たちの井戸端会議を盛り上げる、そんな美味しいゴシップのことを言うらしい。カーラが参加する井戸端会議のゴシップネタってなんだろう。アルバムの最後を飾るのは、このトリオのサックス奏者、アンディ・シェパードの結婚を密かに祝う曲だが、タイトルは、詩人のポール・ヘインズの作品からとったという。円熟のカーラ節、いいね!
intoxicate (C)高見一樹
タワーレコード(vol.122(2016年6月10日発行号)掲載)