国楽とロックを幻想的に融合させた彼らの音楽はすぐに人々を魅了し、海外のフェスティバルの関係者の間で"次世代の大物"として好評を得ている韓国の3ピース・フュージョン・バンド、ジャムビナイ。じわじわと口コミでその存在が知られるようになり、これまでにグラストンベリーやSXSWをはじめとする数々の海外音楽フェスへの出演経験のある彼らが、この度Bella Unionと契約し、世界デビュー・アルバム『ア・エルミタージュ』を発売する。
ピリ(竹製の笛)、ヘグム(フィドルのような)、コムンゴ(韓国のチター)などの伝統楽器を中心に用い、ドゥーム・メタルとエクスペリメンタルの音楽に近いサウンドを作り上げているジャンビナイ。SXSWのディレクターであるTodd Puckhaberは過去にインタビューで「ジャムビナイを初めて見た時、素晴らしいサウンドに大きな感動を受けた。東洋の音楽だが、西洋人にも馴染みのあるサウンドを持っていた」と話している。そんな彼らの音楽は、自分たちをコントロールしようとする保守勢力に疑念を抱いている若い世代が感じている怒りや孤立を投影しているという。「最近の韓国の若い子達の多くは自分たちの夢をあきらめざるを得ない状況にある。韓国は世界で最も自殺率の高い国でもあるんだけど、我々の曲はそういった苦難や苦痛を乗り越えた人たちに向けて書かれている。痛みを抱えて生きている人に、"あなたはあなた自身の人生の王なのよ"って言いたい」とメンバーは話す。
伝統楽器を用いているからといって決して古風なものではなく、ジャムビナイのサウンドはむしろ新しい未来を作り出すその前向きで心が躍る、美しい音楽。是非彼ら音楽を通して一緒にアドベンチャーに繰り出して欲しい。
発売・販売元 提供資料(2016/03/28)
韓国の伝統音楽の可能性を探りながら、聴き手に唯一無二の音体験を味わわせてくれる3人組、ジャムビナイの世界デビュー・アルバム。フィドルみたいな音を出すヘグムやピリ(竹笛の一種)のドローンが大音量で覆い被さり、新種のドゥーム/エクスペリメンタル・メタルといった出来映えだ。デフヘヴンの『New Bermuda』ともバッチリ共鳴するこのサウンド。ラウド・ロッカーもシューゲイズ・フリークもまとめてどうぞ。
bounce (C)志磨雅人
タワーレコード(vol.392(2016年6月25日発行号)掲載)