「真夜中に聴きたい音楽」をコンセプトに著名アーティストにミックスCDを制作してもらう人気コンピレーション・シリーズ『Late Night Tales』の新作に、UKクラブシーンの伝説サシャが登場!なんと全曲本人による秘蔵音源で、コンピレーションというよりもはや最新オリジナル・アルバムと言っても過言ではない本作。普段のクラブ・トラックとは異なるアプローチで長年に渡り制作された楽曲群から、本人が選び抜いた珠玉のオリジナル21曲(LPは18曲)を収録。ニルス・フラームの『Late Night Tales』を聴いて楽曲提供を決めたと本人が述べる様に、終始抒情的な世界観の中でアトモスフェリックな音色を軸にアルバムは展開していく。
特筆すべきはこのプロジェクトのきっかけともなった14曲目「Bring on the Night-time」。サシャがデヴィッド・ガードナー、サーマルベアーと共作、ウルトライスタ(レディオヘッドのプロデューサーであるナイジェル・ゴドリッチ、アトムス・フォー・ピースのメンバーでベックやR.E.M.のセッション・ミュージシャンとしても活動するドラマーのジョーイ・ワロンカー、グライムスやM.I.A.の引き合いに出されるヴォーカルのローラ・ベッティンソンからなる3ピースバンド)がアレンジを担当したものの長年お蔵入りしていた名曲が、本作をきっかけに遂に日の目を見ることとなった。作品全体を通してミスティックかつウェットなテクスチャーが往年のプログレッシヴ・ファンの心をわしづかみにする事請け合いで、改めて新しいものだけが正しいわけではないと痛感させられる、素晴らしい一枚の誕生です。
発売・販売元 提供資料(2016/04/05)
盟友ジョン・ディグウィードとのミックス・シリーズ〈Renaissance〉などで知られるスーパースターDJがレイト・ナイト・テイルズから作品を出すってだけでもびっくりなんですが、全曲エクスクルーシヴ音源で構成されたミックスということで2度びっくり。当然ながらサウンドはいつものトランシーなプログレッシヴ・ハウスではなく、静謐なアンビエント~チルアウト系で、新機軸のオリジナル作という趣があります。
bounce (C)サクライマー
タワーレコード(vol.390(2016年4月25日発行号)掲載)