フランス組曲

1940年、ドイツ占領下のフランス―― 愛と使命に翻弄された男女の物語
60年の時を経て蘇った世界的大ベストセラーの映画化

■アウシュヴィッツに没した人気女性作家による奇跡の遺稿小説、待望の映画化!
原作者イレーヌ・ネミロフスキーは、1942年にアウシュヴィッツに送られ、1ヶ月後に亡くなった。残された娘2人は母の形見のトランクを大切に保管したが、そこに入っているノートを母の日記であると思い込み、それが小説であることに気づいたときには、作者の死後、60年以上がたっていた。小さな手書きの文字で綴られた「フランス組曲」は、2004年に出版されるや大反響を巻き起こし、全世界350万部を超えるベストセラーになる。そして、ドイツ占領下のフランスで生きる人々の様々な振る舞いを、リアルタイムでかつ、驚嘆すべき冷静な視線で、作者が命を懸けて綴った執念の遺作は、長い時間を経て、ついに映画として蘇った。

■ミシェル・ウィリアムズなど、欧米の旬な名優たちが集結、迫真の演技を魅せる!
世界中から今もっとも旬な名優たちを集結させる夢のキャスティングが実現した。ミシェル・ウィリアムズ、彼女の相手役は監督がほれ込んだ逸材、マティアス・スーナールツ、厳格な義母役には名女優クリスティン・スコット・トーマスら起用。若手を中心とした演技実力者たちがそれぞれ強い存在感を見せ、深く観応えある人間ドラマとなった。

■一流スタッフによって忠実に再現された町が、占領下の臨場感を引き出す!
『ある侯爵夫人の生涯』(08)で一躍脚光を浴びたソウル・ディブ監督のもと、一流のスタッフが結集! 監督をはじめとする映画製作陣は近代史のなかで語られることの少なかった占領下フランスの片田舎の人々の苦闘をより多くの人に届けるため、英語で撮影することを当初から決めていた。さらに1940年代の街並みをフランス・マルヴィルに忠実に再現、製作陣を虜にした撮影地の印象をしっかりと観る者すべてに伝えてくれる。

■ドイツ支配下のフランスで苦境に陥った人々を女性の視点から描く、禁断のロマンス。1940年6月。独仏休戦協定が結ばれ、フランスはドイツの支配下に置かれる。戦地に行った夫を待つリュシルと厳格な義母が暮らす屋敷にドイツ軍中尉のブルーノが滞在することになる。ピアノと音楽への愛を共有する2人は、いつしか互いの存在だけが心のよりどころになっていく。それは同時に、狭い世界に生きる従順な女性だったリュシルが、より広い世界へと目を向ける転機になっていくのだった。彼らのロマンスを中心に、田舎町に暮らす人々のさまざまな身の処し方がつぶさに描かれ、占領下の生活でも真心を失わない女性たちの姿が、物語を完結させることなくこの世を去った女性作家の思いとして、観る者に鮮烈に届けられる。