幸せの基準は誰のもの? 愛の重さは何グラム?
名匠ベント・ハーメルが見出す人間の可笑しみ
それは日常の小さな事柄を奇跡に変えること――

■アカデミー賞外国語映画部門＜ノルウェー代表＞に選ばれた話題作! ノルウェーが世界に誇るベント・ハーメル監督新作の主人公は初めての女性!!
日本でも多くのファンを持つノルウェーの名匠ベント・ハーメル。『キッチン・ストーリー』(03)スウェーデン人とノルウェー人の男性ふたりの一風変わった交流を、『ホルテンさんのはじめての冒険』(07)では定年を迎えた鉄道運転士の人生初の脱線ぶりを描き、愛すべきオジサン主人公たちを印象づけた彼が、初めて美しい女性を主人公に据え、北欧だけでなくパリへも舞台を広げて描いたのがこの新作。可笑しみに彩られた独特の世界観を今作でも存分に披露している。また、実在する「ノルウェー国立計量研究所」とパリ郊外にある「国際度量衡局」での撮影が許可されたことが、重さの概念すら抱かなかった私たちをより深く未知の世界へと導いた。

■"笑わないヒロイン"に扮したノルウェーの人気実力派女優アーネ・ダール・トルプ!
ほんの少し見方を変えれば、新しい目盛りが新しい人生を示す!? ノルウェーの理系女子がパリで見つける幸せの基準とは?
ノルウェーの人気女優アーネ・ダール・トルプが、"笑わないヒロイン"マリエを好演。周囲の何もかもが"壊れゆく"と悩むクールな理系女子が徐々に修復され、やがてパリで見せる柔らかな表情は観客の心をほっこりとさせる。人生は予測不能で計り知れないからこそ、モノのはかり方をほんの少しだけ変えれば、マリエのように新たな愛を発見できるかもしれない。本作は、そんなステキな可能性を誰もが秘めていることを私たちに気づかせ、「幸せをはかる方法はひとつじゃない!」と勇気を与えてくれることだろう。

■美術や衣装へのこだわりに注目!
ハーメル監督はマリエの内面の変化に合わせて、美術などの細かいこだわりの演出プランを立てた。冒頭では、マリエの家、愛車、研究所に至るまですべてが寒色系で統一され、冷たい印象を与える。パリへ飛び、BIPM(国際度量衡局)に着いてもその印象は続くが、パイと出会ってパリの街に入ると、そこはカラフルに彩られている。そしてマリエのヘアスタイルやメイク、衣装もどんどん変わってゆく。

■表現を強くサポートする音楽や音の存在!
監督は、前作に続いてコーダに音楽を依頼。コーダは早くから監督と綿密に打ち合わせをしながら、物語に即して曲を作っていった。音楽だけでなく、音も映画におけるもっとも重要な要素のひとつと考える監督は、サウンドデザイナーや音響スタッフとも常に密に連絡を取り合うように心がけているという。