イギリス伝説のロックバンド、ザ・ヴァーヴのヴォーカリスト、リチャード・アシュクロフトの通算4枚目となるソロ・アルバム。前作より10年振りとなる本作は、リチャード本人と長年のコラボレーターであるクリス・ポッターがプロデュース。ストリングスのアレンジはザ・ヴァーヴの『アーバン・ヒムス』(1997年)やリチャードのソロ・デビュー・アルバム『アローン・ウィズ・エヴリバディ』(2000年)にも参加したウィル・マローンを起用。クラシカルなアプローチと新たなサウンドへの冒険が融合した一枚。 (C)RS
JMD(2016/03/29)
リチャード・アシュクロフト10年振りとなる4枚目のアルバム。アルバムはリチャード本人と長年のコラボレーターであるクリス・ポッターのプロデュースで、ストリングスのアレンジは『アーバン・ヒムス』や『アローン・ウィズ・エヴリバディ』でも仕事をおこなったウィル・マローン。クラシカルなアプローチと新たなサウンドへの冒険が見事に融合した作品。
ウルトラ・ヴァイブ
発売・販売元 提供資料(2016/02/29)
2010年にRPA&ジ・ユナイテッド・ネイションズ・オブ・サウンドとして作品を発表した元ヴァーヴのフロントマン。ソロ活動はもう封印と思いきや、何と10年ぶりとなる4枚目の新作が突然ドロップされた。しかも、その内容はミディアム・テンポな曲でストリングスを美しく響かせる、つまりヴァーヴ時代の大ヒット作『Urban Hymns』(97年)に通じる手法なのだから驚くばかり。ちなみに、ストリングス・アレンジはあの時と同じウィル・マローンだ。だが、そこはリチャード、約20年越しの二匹目のどじょうでは当然ない。いまやR&Bやヒップホップに精通する彼ならではのリズム使いや音色も折節に見え隠れし、深き音の層を分け入るような音響がごく自然に鳴っているのは流石。何より、人生経験を映したヴォーカル表現によってバラード群が琴線に触れまくり、これほど胸に染みるのか……と。全英1位は確実だろうし、日本にいるすべてのUKロック好きもひとまず表題曲だけでも聴いて、そして泣け。
bounce (C)妹沢奈美
タワーレコード(vol.391(2016年5月25日発行号)掲載)