NYを拠点にジャズ・シーンをリードしてきたピアニスト、ヴィジェイ・アイヤーが「自身のヒーローであり、友人でもあり先生でもある」というトランぺッター、ワダダ・レオ・スミスと演奏したデュオ作品が登場。ヴィジェイは以前ワダダ・レオ・スミスのゴールデン・カルテットに参加していたが、今回初めてデュオ作品に取り組んだ!2015年の10月にNYのアヴァター・スタジオで録音、もちろんマンフレード・アイヒャーがプロデュース。この作品の中心となっているのは、 インド人女性アーティストNasreen Mohamedi (1937-1990)へ捧げられた「A Cosmic Rhythm with Each Stroke」という組曲。Mohamediは革新的なアーティストで彼女の即興的画はアブストラクトなリズムを呼び起こす。トランペットとピアノがお互いに影響を与え、トーン、テクスチャー、空間を繊細にクリエイティヴに織りなしてゆく。 この3月にNYのメトロポリタン・ミュージアムでは大々的にNasreen Mohamediのアート、画が展示されるが、この作品のプレミア・ライヴが行われる予定。一番最後の曲はワダダ・レオのオリジナルでアメリカのコントラルト・シンガーMarian Andersonからインスパイアされた曲。
発売・販売元 提供資料(2016/02/15)
現代ジャズにおいて最も重要なピアニストの一人、ヴィジェイ・アイヤーにとって、70年代からフリージャズの第一線を張るトランペッター、レオ・スミスはそのゴールデン・カルテットでフックアップされたこともあり、師匠のような存在であると語る。レオ・スミスにとっては実に13年ぶりのECMだが、そもそも禅、あるいはDUB的隙間の美学に貫かれた作品を多くリリースしていることもあり相性はバッチリ。ヴィジェイはアコースティックとローズ、エレクトロニクスを使い分けアンビエントなタッチで呼応する。師弟の対話は静かに確実に音を配置し、美しくイマジネイティヴな内的宇宙を広げていく
intoxicate (C)片切真吾
タワーレコード(vol.121(2016年4月10日発行号)掲載)