SOIL&"PIMP"SESSIONSの前作『Brothers & Sisters』から1年半振りとなるオリジナル・アルバム。本作のテーマは"Mellow"。Death Jazzと呼称されるラウドなジャズの片鱗はみせつつも、1970年代のレアグルーヴ、ジャズファンクから1990年代のアシッドジャズを経て続く2010年代のメロウグルーヴを標榜。インスト曲を中心としながら、ヴォーカルやラップをフィーチャーした楽曲も収録。「SEKAI」はフジテレビボクシング中継のテーマ・ソング。 (C)RS
JMD(2016/02/22)
1年半ぶりの新作は〈ブラック&メロウ〉がテーマのコンセプチュアルな作品だ。LAの地下MCバンブーが小気味良くフロウし、ニア・アンドリュースの歌声が華やぎを添える冒頭の"By Your Side"は90年代のジャズ・ヒップホップを思い起こさせる。さらに、ハービー・ハンコック"Cantaloupe Island"のカヴァーでは、US3への20年越しの回答なのか(?)ハード・バップとブレイクビーツを行き来するクール極まるマナーを提示。長岡亮介が歌う"Connected"ではネオ・ソウルとジャズの完璧なハイブリッドを聴かせ、タヒチ80のグザヴィエ・ボワイエを迎えた"In2 My Soul"ではAORとソウルの境界線上を行く絶品のメロウネスを披露する。他のインスト曲では彼ららしい爆音デス・ジャズのギラつきを要所で発揮するものの、今作から聴き取れるのはアシッド・ジャズ~ヒップホップ~ネオ・ソウルなど、新世代ジャズの養分にもなっている黒くメロウな音の歴史だ。それらを彼らの流儀で一枚の作品に織り込んだような意欲作。
bounce (C)池谷昌之
タワーレコード(vol.389(2016年3月25日発行号)掲載)