プレデター風の近未来的マスクで顔を覆ったEDM界の異端児、ザードニック。ビヨンセや、ナイン・インチ・ネイルズのオフィシャル・リミキサーを任されるなど、いま世界でもっとも注目されるDJ/サウンド・クリエイターのひとりである彼が、2015年秋にリリースし、耳の早いEDM/デジタル・ハードコア・ファンたちが買い求め、多くの店舗で品切れ続出となった輸入盤『アンチヒーロー』が、日本独自編集盤でついに登場! (C)RS
JMD(2015/12/26)
血気盛んなドラムンベースに、狂暴なギター・リフと吐き捨て型の歌を乗せて疾走する様は、アレック・エンパイア率いるDHR全盛期の再現とも言えよう──そんなアグレッション全開のザードニック。プレデターみたいなマスクを着け、ドラムン界では馴染みのないヴェネズエラの出身ともなると、怪しさ満点だ。とはいえ、ビヨンセやナイン・インチ・ネイルズのリミックス、OWSLAのコンピに楽曲を提供、度重なる欧米ツアー、オマケに2013年に来日済み……と、実は世界に名を馳せる人気者で、キワモノだと思ったら大間違いである。で、この初作では〈スクリレックスmeetsスリップノット〉とも形容されるだけあって、ニュー・メタル以降のラウド・ロック好きが飛びつきそうな音を鳴らし、インダストリアルの影響を滲ませながらミニストリーやラムシュタインとも共鳴。ペンデュラム級にロッキンなトラックも凄みがあり、いろいろな切り口から語れそうだけど、ゴチャゴチャ考えずヘドバンしながら聴くのが正解!
bounce (C)青木正之
タワーレコード(vol.388(2016年2月25日発行号)掲載)