アンチェルがウィーン響に客演した一連のPHILIPS録音から、名盤「新世界」「モルダウ」他が本家より久しぶりに復刻!

チェコの巨匠アンチェルが、1958年から翌年にかけて珍しくPHILIPSレーベルに収録を行った一連の録音のなかから、ドヴォルザークやスメタナといった母国チェコの作品を集成したアルバムです。余白には同じくウィーン交響楽団とドラティが録音したメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」よりをカップリングしました。当時PHILIPSはウィーン交響楽団と契約しており、サヴァリッシュやベーム、ドラティといった指揮者とまとまった録音を行っていました。どういう経緯でアンチェルとの録音が実現したかはわかりませんが、このアルバムでの3曲と、別途今回発売するチャイコフスキー・アルバム(PROC1917/8)の8曲が当時録音された曲の全てです。この盤ではやはり十八番の「新世界」がなにより注目されますが、「わが祖国」全曲を何度も録音しているアンチェルならではの味のある「モルダウ」も絶品。尚、「新世界」は3年後の'61年にSUPRAPHONレーベルでチェコ・フィルと録音しているため、聴き比べできるのに対し、「スラヴ舞曲」作品46の方はチェコ・フィルとは収録されていないため、この録音がアンチェル唯一のものです(別のオケとの放送音源はあり)。当時のアンチェルの「新世界より」の解釈は、ストレートな実直さを前面に打ち出し、作品本来が持つ素の姿を伝えています。スケール的にもダイナミックに演奏しており、録音と合わせ注目の演奏です。併録のドラティのメンデルスゾーンは一変してウィーン響の厚い響きを活かした柔和な表現であり、こちらも興味深い演奏です。尚、音に関しては従来通りオリジナルのマスター・テープからハイビット・ハイサンプリング(192kHz、24bit)音源をCDマスターに使用しましたので、以前のCDより解像度が高く、よりマスターに近い音質でお楽しみいただけます。

タワーレコード （2015/11/05）