UKマンチェスター発のピアノ・トリオ、ゴーゴー・ペンギンのBlue Noteデビュー作品。ジャズのジャンルだけに止まらずテクノやエレクトロニカ、ドラムンベースなどのダンス・ミュージックの影響を感じる跳ねたビートに、クラシカル且つエピックなピアノの旋律が舞う、まさにExperimental Jazzと形容出来そうな音楽性を持ったグループのアルバム。 (C)RS
JMD(2015/11/13)
英マーキュリー賞にノミネートされた前作で知名度を上げたマンチェスターの若きピアノトリオが華々しくブルーノートデビュー。アコースティック・エレクトロニカ、人力ドラムンベースと称されてきた超絶技巧によるビートメイキングが耳を惹くが、もっと広くハウスやダウンテンポまで網羅したエレクトロニックなビートをネイティヴな感覚でアウトプットしている点が新鮮。またピアノのアンビエンスやビートの鳴りから感じられる音響への強い拘り、緩急の増したリリカルな構成からはポストロックと呼ばれた音楽の影響も覗える。それがブルーノートの耳を捉えたということにジャズの明るい未来を見出す。
intoxicate (C)片切真吾
タワーレコード(vol.120(2016年2月10日発行号)掲載)
全員がまだ20代という若さゆえ、ショスタコーヴィッチやドビュッシーなどのクラシック音楽とエイフェックス・ツインやスクエアプッシャーといったエレクトロニック・ミュージックを並列に聴いて育ったというマンチェスター出身の〈アコースティック・エレクトロニカ・トリオ〉が通算3作目にして名門ブルー・ノートからメジャー・デビュー。抒情的なフレーズを奏でるピアノ、タイトに手数を重ねるドラム、流麗にグルーヴを紡ぐベースが緊迫した展開を見せる冒頭の“All Res”からして、もはやジャズというよりはポスト・ロックやエクスペリメンタルなビート・ミュージックの聴後感に近く、グラスパーが拡げた〈ジャズ〉の解釈をまた違った方法論で解いてみせた、革新的な作品と言えよう。
bounce (C)野村アリマサ
タワーレコード(vol.387(2016年1月25日発行号)掲載)