生誕100年記念盤。イタリアの有名なカンツォーネをはじめ、国内初CD化曲も特別収録!デル・モナコを知る格好の1枚。

2015年は、「黄金のトランペット」と評された不世出のテノール、マリオ・デル・モナコの生誕100年という記念の年にあたります。ドラマティック・テノールとして、1950年台から&'60年代にかけてオペラ界では唯一無比の存在として世界中で評価された一方で、歌曲やカンツォーネ、ポピュラー曲に関しても魅力ある歌唱を披露しました。本アルバムでは、オペラと違ったもうひとつの顔であるカンツォーネを始め、オペレッタやポピュラー曲にスポットを当てました。デル・モナコの素晴らしさを知る、恰好の1枚です。1-6曲目までは今回別途再発売する'59年録音の「道化師」(PROC1904)のLP2枚目の余白として当初発売されました(録音は'58年)。そして7-12曲目は、同じ指揮者とオーケストラにより'60年に収録。こちらは同じ'60年録音の「カヴァレリア・ルスティカーナ」の余白に収められ、恐らくアメリカ盤が初出と思われます。そのためオリジナルのジャケットはありませんが、国内盤では何度かCD化されてきました。一方、13-22曲目のマントヴァーニとの共演盤は、「A SONG FOR YOU」というタイトルでリリースされており、よく知られているLPです(今回のジャケット・デザインに使用)。国内盤でも1-12曲目と一緒に組み合わされてCDで再発されています。一方、23-24の2曲は、2006年の5枚組の輸入盤で初めて発売された音源です。同時に録音されていたにもかかわらず、なぜか未発表になっていた貴重な2曲です。今回、オリジナル・マスターを確認したところ、この2曲は他の曲と同様、マスター・テープに収録されていました。今となっては未発売の理由はわかりませんが、今回の復刻では日本初出であるこの2曲を加えた形で復刻いたします。デル・モナコの余技であるとはいえ、ここでの歌唱は彼の性格や人柄を表すかのように、武骨でありながらも愛を熱く語り、心に響く歌を歌っています。その強烈なトーンは、デル・モナコという、一時代をかつて築いた偉大なテノール歌手の生き様が表れているかのようです。今回の復刻ではオリジナルのアナログマスターテープに遡り、あらためてハイビット・ハイサンプリング(192kHz/24bit)でデジタル化しCDマスターを作成しました。輝かしい声がさらに間近に迫ってくるように、鮮明な音で蘇っています。また、フランコ酒井氏による興味深いエピソードも交えた序文解説を新規で掲載し、各曲の解説もブックレットに記述しています。生誕100周年を彩るに相応しいCDです。尚、今回のシリーズ復刻ではデル・モナコのアルバムを3種、他の盤を4種、合計7タイトルを復刻いたします。

タワーレコード （2015/10/08）