2025年に最後の北米ツアーを行うこのバンドを好きになったのは、1981年、銀座の今はなきテクニクス銀座(コアビル)で行われていた、亡くなった音楽評論家の中村とうようがレコードをその場でかける「とうようず寄席」を友人と見に行ったときに発売されたばかりのこの『ソリッド・ゴールド』から選曲して聴かされた「What We All Want」を即座に気に入ったからである。そのイントロは今でもすぐに思い出せる。世間ではデビュー・アルバム『エンターテイメント!』の評価が高いが、個人的にはこの2作目がベストである。何度も再発されるのは残念ながらこの2作目までだが、「I Love a Man in a Uniform」が入っている3作目『ソングス・オブ・ザ・フリー』、「Is It Love」が入っている4作目『ハード』も捨てがたい。