現代版ジャズ・ロックをコンセプトとしたピアノ・トリオ、fox capture planによる2015年3部作の最終章となる通算4枚目のフル・アルバム。『UNDERGROUND』『COVERMIND』に続き、オリジナル曲を中心に構成された本作は、これまでにも増して洗練された楽曲と演奏クオリティの違いを感じさせるだけでなく、彼らの進化が作品、とりわけ楽曲単位で如実に表れていることに気付かされる。ロック・チューン「Supersonic」、リード曲「Butterfly Effect」他を収録。 (C)RS
JMD(2016/01/22)
進化し続ける現代版ジャズ・ロック!fox capture planが迎えた2015年3部作の最終章。押しも押されぬ最高傑作がここに誕生!!!
2015年4月リリース『UNDERGROUND』、7月リリース『COVERMIND』に続き、オリジナル曲中心に構成された待望の4thフル・アルバム『BUTTERFLY』は以前にも増して洗練された楽曲と演奏クオリティの違いを感じさせるだけでなく、彼らの進化が作品とりわけ楽曲単位で如実に表れていることに気付かされる。ノスタルジックな音像が心地よく、そのループが奏でる深淵に耳を傾ければ万華鏡をのぞきこんでいるような音世界に聴く者を誘う…そんな中毒性の高いトラックは健在どころかパワーアップすらしているように感じられる。日本ジャズ史に残る大ヒット作『WALL』収録の「疾走する閃光」の流れを汲むロック・チューン「Supersonic」、ストリングスを大胆にフィーチャリングした本作のリード曲「Butterfly Effect」、本作よりスタートする(?) 2000年代ロックカヴァーシリーズの幕開けとしてMUSEの「Plug In Baby」カヴァー、そしてTBS系ドラマ「ヤメゴク~ヤクザやめてもらいます」の劇中音楽として制作・使用された「In the Darkness」の再アレンジ・録音に加え、菊地成孔氏がソプラノ・サックスで参加した「混沌と創造の幾何学」、これはメンバーたっての希望が実現したfox capture plan史上、歴史的なトラックとなった。さらに過去2作にわたって収録された「the beginning of the myth」の完成型〈the last story of the myth〉やドラムス井上司の初作曲「inchoate」、クリスマスソング「Christmas comes to our place」もファンには胸熱な一曲!
発売・販売元 提供資料(2015/09/04)
〈年間3枚リリース〉の公約を達成する4枚目のフル・アルバム。2014年の『WALL』がロック・リスナーを意識したリズミックな作品だったのとは対照的に、弦楽四重奏とピアノ・ジャズが華麗に溶け合う冒頭の3曲でクラシックな気分に。と思いきや、菊地成孔のサックスが知的な緊張感をもたらす"混沌と創造の幾何学"で空気が変わり、ミニマルなフレーズが現代音楽的な刺激を生む"inchoate"、ミューズ"Plug In Baby"のカヴァー、そしてドラマ「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」の劇中曲"In the darkness"の再録版と、後半は高度な演奏とキャッチーなメロディーの連発で一気に突っ走る。いわゆるジャズの枠に収まらない異能ぶりと、より広いフィールドに目を向けた戦略が合致した見事な作品だ。
bounce (C)宮本英夫
タワーレコード(vol.384(2015年10月25日発行号)掲載)