ベイルート生まれ、パリ育ちで世界中で最も注目されている35歳のトランぺッター、Ibrahim Maaloufのimpulse!移籍第一弾作品が登場。Ibrahimはフランスで最も大きな音楽の賞"Victoire du Jazz"において "Instrumental Discovery" (2010) "Artist of the Year" (2013) を受賞しており、フランスでのインストゥルメンタル界で最も売れるアーティストとなっており、映画『Yves Saint Laurent』などの音楽も手がけている注目の音楽家。
発売・販売元 提供資料(2015/08/31)
父が開発した微分音トランペットを操り、映画『イヴ・サンローラン』のサウンド・トラックも手掛けたレバノン出身パリ在住の俊英。インパルス移籍の本作は没後40年のアラブ歌謡の女王、エジプトのウム・クルスームへのオマージュ。マーク・ターナーやラリー・グレナディアを迎えた2011年作『ウィンド』でマイルスにアラブの風を吹き込んだその理論と地続きの本作も彼のサウンドの特徴である爆発力のあるミクスチャーサウンドではなく緊張感に満ちたクールな佇まいである。アラブの血でジャズを捉えたのが『ウィンド』であったならばジャズの血でアラブを捉え直したのが本作と言えるだろう。
intoxicate (C)片切真吾
タワーレコード(vol.118(2015年10月10日発行号)掲載)