スウェーデン出身の女性アーティスト、エリファント。アイコナ・ポップを擁するスウェーデンのレーベルTENから2012年にデビュー。その後話題に火が点きマッド・ディセントやDr.ルーク等の注目するところとなり、Dr.ルーク率いるKemosabeと契約。これまでリリースしてきたEPにはディプロやスクリレックスといったスーパースターが参加し、彼女の個性、そして革新的かつポップなサウンドには自ずと注目が集まる中、いよいよリリースされるデビュー・アルバムが今作である。
18歳でスウェーデンを飛び出した彼女はその後世界を放浪。ジャマイカの文化やレゲエ、ダブ・ミュージックから強い影響を受けた。その後たどり着いたパリでスウェーデンのプロダクション・チームJungleと知り合い、当時EDM全盛だったヨーロッパで活動開始したことからTENでのデビューに至った。最初のシングル「Tekkno Scene」が人気ビデオ・ゲームで使用されたり、チャーリーXCXの北米ツアーのオープニングに抜擢されたり、iPadの音楽制作アプリCMに起用されたりと、世界的な注目を集める機会にも恵まれた。デビュー・アルバムにはスクリレックス、Dr.ルーク、ディプロ、メジャー・レイザー、ジョエル・リトル(Lord『Pure Heroine』のプロデューサー)等が名を連ね、またMO(ムー)、アジーリア・バンクス、ツイン・シャドウ、ジプシャン等も参加している。EDMを更にPOPに解放し、ダンスホール、ドラムン・ベース、ラップ等のエッセンスが加わる。ケイティ・ペリーのようで、ザ・プロディジーのよう。M.I.A.やライ・ライ好きにもピッタリ。スウェーデンらしい間口の広さを兼ね合わせたポップの進化形が登場だ!
発売・販売元 提供資料(2016/02/15)
マッド・ディセントやOWSLA周辺で腕を磨き、2013年に本国スウェーデンと配信限定でフル・アルバムを発表。この時点までは、M.I.A.やサンティゴールドに連なる風変わりな女子だと思っていました。でも、正式な世界デビューとなる本作は、そんな期待をイイ意味で裏切る(&上回る)一枚だったのです。もっとも、メジャー・レイザー制作/ジプシャン客演によるハウシーなダンスホールだったり、スクリレックスの手掛けたエキゾ・ベースだったりも確認できるのですが、そこはDrルークの総監督として果たした役割が大きかったのでしょう。モコモコした青春エモトロニカ、得意のラガなフロウをフル活用したアジーリア・バンクスとのアイランドR&B、アイコナ・ポップ的なユニゾン・コーラスを用いた電子ポップなどなどが、キモサベらしい大衆性を纏って賑やかに陳列。かつてのレーベル仲間であるケシャはもちろん、グウェン・ステファニーの新作にも近い雰囲気が楽しいです。
bounce (C)山西絵美
タワーレコード(vol.390(2016年4月25日発行号)掲載)