米ロック・レジェンドが心酔するSSW、カート・ヴァイル新作!
米フィラデルフィア出身のシンガー・ソングライター。米ロックバンド、ザ・ウォー・オン・ドラッグスのギタリストとして活躍後、ソロとしてデビュー。09年、米老舗<マタドール>に移籍し4作目『スモーク・リング・フォー・マイ・ハロー』を発表。ピッチフォークで8.4点の高評価を獲得し、さらに老舗Rough Trade Shopの年間ベスト・アルバムの第3位に選出されるなど、大絶賛を浴びた。
2013年にはソニック・ユース作品を多数手がけるジョン・アグネロをプロデューサーに迎え『ウェイキン・オン・ア・プリティ・デイズ』をリリース。2作連続でピッチフォークのベスト・ニュー・ミュージックを獲得した。ソニック・ユースのサーストン・ムーアやキム・ゴードン、J・マスキス(ダイナソーJr)、ブラッドフォード・コックス(ディアハンター)等、米レジェンド・ミュージシャンたちがこぞって賛辞を送る現在のUSインディシーン最重要人物の1人である。
発売・販売元 提供資料(2015/07/28)
インディー・フォーク・シーン屈指のシンガー・ソングライターが、周囲の喧騒に惑わされず、欲求の赴くままに作り上げたという6作目。でも、決して独りよがりに聴こえないのは、前作での成功とその後の内省の賜物だろう。鼻にかかった歌声でなぞるメロディーに漂泊者の如き寂寥感を宿らせる技は流石だし、フィンガー・ピッキングによるギター演奏も、アメリカン・プリミティヴィズムの実践者であることを強烈に印象付ける。また、これまで以上にルーツィーな作風ながら、フィードバック・ノイズを駆使した音響はあきらかにオルタナ世代ならではといったところ。そう、本作はいろいろな角度から楽しめる一枚なのだ。彼の才能に引き寄せられるようにウォーペイントのメンバーほか、豪華ゲストが参加。
bounce (C)山口智男
タワーレコード(vol.383(2015年9月25日発行号)掲載)